コラム

法務関連 / 知的財産権・著作権・特許 / 知的財産権・著作権

知らないと危険!著作権・肖像権(その11)

2013年06月13日

■「私的使用」の意味を知っていますか?

 最近はレンタルショップで好きな音楽CDや映画のDVDなどが借りるだけではなく、店頭販売されているCDやDVDを購入することができたり、と便利な世の中になりましたが、CDやDVDを借りる人の中には、借りた音楽や映画をコピーする人もいるでしょう。

 さて、そのようにして借りてきたCDやDVDをコピーすることは著作権法からみてどうなのかと言うと、「私的使用」であればOKということになっています。

 私的使用については、著作権法が次のように定めていますので、参考までに記載します。


(私的使用のための複製)

  第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」
       という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲
       内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とする
       ときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することがで
       きる。

     一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器
       (複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動
       化されている機器をいう。)を用いて複製する場合


 要するに、「個人的又は家庭内など限られた範囲内においてコピーすることができる。」ということです。

 ここでご注意いただきたいのは、コピーできる人はその著作物を使用する人だけ、つまり他人のためにコピーすることはできないが、自分が使うためならできるという定めになっていることです。

 音楽をコピーするのは自分が聞くためならOKだし、映画をコピーするのは自分が見るためならOKだということなのですから、友達に聞かせたいので音楽をコピーする、というのは著作権法に違反するということです。

 この「私的使用」という規程は、原則として全ての複製行為にあてはめることができますので、前回ふれた「ダウンロードの際の複製」についても、私的使用であれば複製権侵害にならない、ということになります。

 言い換えると、私的使用でないかぎりは無断でダウンロードすると複製権侵害になる、ということでもあります。

 そうすると、会社でインターネットを使うこと自体が全て違法ではないか?という話もありえてきます。インターネットを利用する際には、WEB上での様々の情報がPC端末に蓄積されているはずなので、おのずと無数の複製が行われていることになるからです。

 しかし、こういった複製の多くは無意識に機械的かつ一時的に行われています。

 「一時ファイル」というふうに言われている無数のデータファイルについて、いちいち著作権法違反を気にすると言うのは現実的ではないかもしれませんが、法律の理論としてはそのようなことになります。

 そこで平成21年の著作権法改正において、こういった問題に関連する部分の改正が行われ、PC端末などで一時的に処理する目的で情報を端末に記録することができるという規定がつくられました。このような著作権法改正によって、一般的なインターネット利用の多くが法理論上も合法になるような措置が取られました。現実にあわせて後追いで法律を改正したということです。

(電子計算機における著作物の利用に伴う複製)

  第四十七条の八 電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用
          する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作
          物を当該送信を受信して利用する場合(これらの利用又は当該複
          製物の使用が著作権を侵害しない場合に限る。)には、当該著作
          物は、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過
          程において、当該情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と
          認められる限度で、当該電子計算機の記録媒体に記録することが
          できる。

日野 孝次朗
​​MENU