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コラム

人事 / 人材育成 / リベラルアーツ

今、リベラルアーツ研修が注目される理由
〜さあ、リベラルアーツ/教養研修をはじめよう!(第3回)

2014年01月07日

皆さん、こんにちは。「さあ、リベラルアーツ/教養研修をはじめよう!」第3回です。
今回のテーマは「なぜ注目されているのか」です。

教養やリベラルアーツがどうして注目されているのか?
答えはズバリ、現在の私たちは「ビジネススキル肥大化」の傾向があるからです。

例を2つ挙げましょう。

<例1>
現在の日本企業にいる管理職のうち、8割くらいは失格です。なぜか?

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●人事評価で「やった人」と「やらなかった人」の差をつけねばならないのに、なかなかつけられない
 Aという管理職がいた。

●マイナスの評価をつけた部下にその理由をきちんと説明しなければならないのに、どうも歯切れの悪い
 Bという管理職がいた。

●新人事制度が導入され管理職としての人材育成能力がシビアに問われるようになったが上手くできず育
 たず、頭を抱えるCという管理職がいた。

Aは評価スキルの研修を受け、Bはフィードバックスキルの研修を受け、Cはコーチングスキルの研修を受けた。しかし、いずれもその研修内容を生かせずにいた。

 ・Aは自信を持って差をつけた評価を下せなかった。
 ・Bも自信を持って自分の評価結果を部下に伝えられなかった。
 ・Cも部下たちをぐっと惹きつけることが出来ずにいた。

人事部長は3人が研修で学んだスキルを生かせずに悩んでいる原因が分からなかった。
でも私は分かった。3人とも

 「組織とは何なのか」
 「仕事とは何なのか」
 「組織の中で働くということはどういうことなのか」

という「そもそも論」が分かっているようで実は分かっていなかったのである。
教科書的な能書きではなく、その人自身の人生観に基づいた「組織観」や「仕事観」が希薄だったのである。

(出典)http://profile.ne.jp/w/c-42917/

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日本企業に「そもそも論」が分かっていている管理職はいます。
「人生観」を確立させた管理職もいます。
でもどこかひ弱なんです。
どこか偏っているんです。
会社の論理、資本の論理、金儲けの論理に馴染みすぎているんです。
だから唯物的な社会に抗えない。
(中沢努「<深く考える>序開き」から抜粋)


<例2>
人材教育会社「パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー」(東京)も2005年から企業のリベラルアーツ研修を請け負っている。講師を務める中沢努社長は「エリート社員の育成を目指す会社や、海外との取引が多い製造業からの依頼が特に多い」と話す。
カントやヘーゲルなどの古典思想だけでなく、資本主義を批判したマルクスの考え方も教える。マルクス哲学について、中沢氏は「ビジネスマンが陥りがちな『わな』を明確に指摘している」と語る。例えば「物象化」という考え方だ。
「部下や同僚を道具のように見てこき使うようなビジネスマンは、自身も自分らしさや人間性を失い、単なるモノ同然になってしまう。これが物象化だ。そんな職場では、価値ある商品を生み出すことはできない、ということに気付いてもらう」
(東京新聞 『こちら特報部』 ビジネスマンよ 哲学を学べ 狙いはリーダー育成 ー2013年7月7日 より)

企業に入社して以来、私たちが学んできた(或いは「学ぶことを推奨されてきた」)知識やスキルって何でしょうか?
戦略、財務諸表、マーケティング、コミュニケーションにプレゼンテーション、エンジニアは自分の専門知識、等々。
...どれも「ビジネス領域の能力」ですね。
これらは「会社が利益を上げることに役立つため」を暗黙の前提としています。

でも、これだけだと「いい仕事」はできません。
なぜなら、

事業は「お金」だけでは成り立たない
お金は「結果」であり目的ではない
...からです。

冒頭に書いた「ビジネススキルの肥大化」は現在の私たち最大の弱点です。
いい仕事をするためには「職業人としての能力は高いが、一個の人間としての能力は必ずしも高くない」ではダメなのです。


【これだけを理解しておこう】

「仕事の質」はそれをやる「人間の質」に依存する。
人間の質はビジネススキルだけでは高まらない。
だから、私たちはリベラルアーツや教養を学ぶ必要がある。

次回は、今日の内容を前提に「リベラルアーツ教育が注目されている理由」をもう少し多角的な視点から深掘りしていきたいと思います。

今回はこの辺で。
そして、次回をお楽しみに。

(本内容は、中沢努「仕事で使うための教養教育ーリベラルアーツ研修/教養研修の手引き」に加筆して作成されました)

<自分を高め、教養を身につけるための読み物>
◆複雑であることに耐えられない軽さ http://profile.ne.jp/w/c-38212/
◆12か月で学ぶ哲学用語 プラトンの「洞窟の比喩」 http://profile.ne.jp/w/c-57604/

<筆者メディア実績>
◆ NHK 『首都圏ネットワーク』(総合テレビ)2013年5月29日
◆ 東京新聞 『こちら特報部』ビジネスマンよ哲学を学べ 狙いはリーダー育成 2013年7月7日
◆ リベラルアーツ研修/教養研修 日本経済新聞2013年12月2日
◆ 同上ーフジテレビ「めざましテレビ さきつぶ」2013年12月10日

★ご質問、歓迎します。お気軽にどうぞ。http://j.mp/LNYGWy

中沢 努
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