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働き方改革成功のカギは総務にあり
成功の掟 第一条「最初から関係各部署を参加させるべし」

2017年04月18日

■男性の意識・行動改革のキーワード

 本コラム第1回は、働き方改革実現のためのテレワークと総務とのかかわりについて紹介しよう。

 あなたは働き方改革と聞いて、何をイメージされるだろうか? 働き方改革は長時間労働を是正することであり、そのためにはテレワークや在宅勤務が必要であると認識している方が意外と多い。

 第3次安倍第2次改造内閣の発足に伴い、最大のチャレンジとして掲げられている「働き方改革」。
 そもそも、安倍内閣が意図している働き方改革とは、一体何を指しているのか?
 内閣府が掲げている働き方改革とは、大きく分けて以下の2つを指している。


1.男性の意識・行動改革
2.「ワーク・ライフ・バランス」「女性の活躍」の推進

 その細目のほとんどは育児に向けられていることが、以下をご覧になるとおわかりになると思う。働き方改革を通じて、少子化への対応もしていきたいとの意図が見える。


1.男性の意識・行動改革
・長時間労働の是正
・人事評価制度の見直し
・経営者・管理職の意識改革
・出産直後からの男性の休暇取得の促進
・父親の育児に関する意識改革、啓発普及
・男性の家事・育児の促進

2.「ワーク・ライフ・バランス」「女性の活躍」の推進
・仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章等に基づく取り組みの推進
・両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備
・育児休業の取得等を理由とする不利益取り扱いの防止
・テレワークの推進
・女性の職業生活における活躍の推進
・子育て女性等の再就職支援(マザーズハローワーク事業)
・地域における女性の活躍の推進


 男性の意識・行動改革の一つのキーワードとして、「イクメン」「イクボス」という言葉がある。育児休業制度が始まってすぐに、労働大臣が少子化打開の一助として、「イクメンという言葉を流行(はや)らせたい」と国会で発言し、男性の子育て参加や育児休業取得促進などを目的とした「イクメンプロジェクト」を始動させたのだ。
 しかし、なかなか取得率が上がらず、今度はイクボス(男性の従業員や部下の育児参加に理解があり積極的に支援する経営者や上司のこと)という言葉を生み出し、厚生労働省が主催する「イクボスアワード」(男性労働者の仕事と育児の両立の模範となる企業または個人を表彰する。第1回は2014年に開催)まで登場した。「男性は外に出て働き、女性は家で子育てをする」、そのような旧来の風土・文化と戦っている現れでもある。今回ご紹介するテレワークもある意味、「仕事は社内でするものだ」、という旧来の考え方との戦いでもある。

■ 社内規程の見直し

 それでは、あらためてテレワークの定義をご紹介しよう。
 テレワークとは、「tele = 離れた所」と「work = 働く」を合わせた、日本の造語である。今風に表現するとすれば、「ICT を活用した、場所や時間にとらわれない、柔軟な働き方」となるであろう。
 テレワークには、働く場により、大きく分けて4種類ある。



1.在宅勤務 各自の自宅で仕事をするテレワーク
2.モバイルワーク オフィス、自宅以外で仕事をテレワーク
・喫茶店・空港・新幹線
・公共施設・ファミレス
・カラオケルーム
・コワーキングスペース
3.サテライトオフィス勤務 会社(本社、支社、営業所)以外のオフィスで仕事をするテレワーク
・レンタルオフィス
・テレワークセンター(共有型)
・サテライトオフィス(専用型)
・サテライトオフィス(郊外型)
4.ふるさとテレワーク 各自の故郷で仕事をするテレワーク

 会社以外の場所で働こうとすると、モバイルWi-Fiやスマホによるテザリング、PCの貸し出しやサテライトオフィスの契約、あるいは、社内規程の見直しなど、総務が関係する業務が多岐にわたる。
 まずは、社内ルール、社内規程の見直しが必要となる。特に、在宅勤務を導入する際にまず確認しなくてはならないのは就業規則である。
 また、以下の規程の改定の有無の確認も必要だ。
・賃金規程
・退職金規程
・安全管理規程
・旅費規程
・育児休業規程
・介護休業規程

 テレワークを導入することにより追加する規程は以下の通り。
・テレワーク勤務規程
・在宅勤務規程
・モバイルワーク勤務規程
・サテライトオフィス勤務規程
 これらはテレワーク勤務規程として一つにまとめる企業も多い。

 在宅勤務を導入しようとする場合は、就業規則等の社内規程における勤務場所に、自宅での就業という記載を入れるところから始める。就業規則の勤務場所に自宅が記載されていない場合、労災の問題が出てくるからだ。

 在宅勤務の場合は、必然的に交通費の問題、貸与PCのルール、もしくは自宅のPC利用の問題、その際かかってくる自宅回線や電気代の負担について、さらに、在宅勤務の際の労務管理や人事評価など、決めないといけないことが山のように出てくる。

 PCや回線などは情報システム、労務管理や人事評価は人事に対応してもらうことになるのだが、このほかの部門と横串を通し、必要な時に必要な人材を集めて主導権を握るのは、総務である。私が過去にお手伝いしたテレワーク(働き方改革)において、総務が主導となり、他部門横断での横串を指して進めたところが、結果として成功している。

 総務は在宅勤務だけではなく、サテライトオフィス勤務にも深くかかわる。オフィス物件の手配から物理的なセキュリティである入退出管理、カギの掛かるモバイルロッカーやのぞき見を防ぐプライバシーフィルターの購入、複合機の購入やレイアウトに至るまで、いかに働きやすい環境を作るかは総務の腕にかかっているともいえよう。

■ テレワークが失敗する理由

 テレワーク(働き方改革)が失敗する理由として、プロジェクトに登場する人物の多さにある。経営トップが大上段の方針(生産性向上や人材の獲得・継続雇用など)を決めたあと、多くの部門が関与するコンソーシアムを組むのだが、以下のような登場人物を最初からメンバーに入れておかないと、途中から参加して、今までの議論をひっくり返してしまうのだ。

・経営層
・経営企画室
・人事
・情報システム
・労働組合
・ダイバーシティ推進室
・女性活躍推進室
・トライアルで在宅勤務を実施するものとその評価をする管理職

 大事なことは、最初からかかわるすべてのメンバーをプロジェクトに参加させることである。

家田 佳代子
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