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働き方改革成功のカギは総務にあり
成功の掟 第七条「介護は外せない問題」

2017年10月17日

■企業に潜む「隠れ介護者」

 働き方改革の中でも育児については理解が得られるようになってきましたが、介護については対象者がいないという企業が多くあります。しかし実のところ、対象者がいないのではなく、会社に届け出ることができないのです。

 中央大学大学院の研究プロジェクトが国内に勤務する約7,000人を調査したところ、今後5年間で介護をする可能性のある人が約87%いるという結果が出ました。

 また、あるグローバルIT企業の日本法人が同じアンケートを取ったところ、約80%の人が介護をする可能性があると回答し、喫緊の経営課題として全社で働き方改革を取り組んだという例もあります。

 団塊ジュニアが介護をする年代になる前に、今まさに介護離職が本格化しようとしている事実を企業は認識しなくてなりません。

■届け出がない理由

 総労働人口の実に5人に1人、約1,300万人が会社に届けを出さずに介護をしているという試算があります。また、厚生労働省「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」によると、介護をすることになった際に、勤務先に相談する社員はわずか7.6%、友人・知人に相談する人も16.3%と低く、突然実家に帰って介護をしたいと申し出があって初めて認識する企業も多いのです。

 ではなぜ会社に届け出ないのでしょうか。

・介護休業制度両立支援制度を利用すると収入が減る
・人事評価に悪影響が出る
・仕事を辞めることを上司や同僚が望んでいる
・両立支援制度がない

 私も介護離職経験者ですが、今も昔も同じ理由であることにショックを受けました。一昔前は同じ理由で出産後の女性が育児離職をしていたのを思い出します。このことから、介護も制度だけではなく、意識改革が必要であるといえます。

■増大する介護負担

 ダブル介護・ダブルケアという言葉をご存じでしょうか。第一子出産年齢が30.4歳と30代に突入している今、子供が一人だとしても37歳まで保育園が必要であるとし、60代の両親が介護になった場合にはダブルケアとなります。介護対象者が2人以上いればダブル介護、さらにトリプル介護になったという例も聞いたことがあります。

 厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、介護をしている72.8%が女性であり、そのうち、夫の両親を介護している人が17.2%になります。それに対し、妻の両親を見ている男性はわずか0.3%なのです。

 また介護保険事業状況報告年報によると、介護施設はパンク状態にあり、全国平均で半数以上の人が在宅介護を余儀なくされています。

 こうした実態がダブル介護やトリプル介護の呼び水となり、育児と介護者、おのおのの制度だけでは対応できず、育児と介護を両方している人を支援する制度が不十分であるのが現状です。

 働き方改革を敢行するのであれば、この問題を避けては通れません。この問題を未然に防ぐには社員の両親の年齢と出身地を把握することと、何より相談しやすい風土を作ること。また、管理職の意識を改革して介護休暇、時短勤務の取得を推奨する別の意味での「イクボス」を育てることと同時に、在宅勤務などの勤務形態の選択肢を検討することが重要なのです。

家田 佳代子
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