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地域活性化に活用できる知的財産〜地理的表示〜第14回

2017年11月01日

 こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
 前回まで、地理的表示と地域団体商標との相違について説明して参りましたが、今回から地理的表示(GI)の効果について説明します。

 2015年6月1日から申請受付が開始された地理的表示ですが、現時点(2017年10月25日)で登録産品は42件となりました。
 2015年の登録産品は7件、2016年の登録産品は17件、2017年の現時点までの登録産品は18件です。
 登録第1号の「あおもりカシス」の登録日が2015年12月22日ですので、どの登録産品も登録からまだ2年も経過していないことになります。
 また、今年登録された産品の中には販売開始の時期になっておらず具体的な登録の効果が把握できていないものもあります。

 このような状況ではありますが、弊所で独自に取ったアンケートの内容や、GIサポートデスク主催の登録産品シンポジウムの報告内容を簡単にまとめると、GIの登録の効果として以下のようなものが挙げられます。

(1)認知度アップ
・新聞やテレビなどのマスコミによるPRの機会増加
・イベントへの出店などによる認知度アップ
・ホームページの閲覧数の増加
(2)意識改革
・生産者・団体の品質管理に対する意識の高まり
・地域の誇りという意識の高まり
・生産拡大意欲の高まり
(3)販売単価・売上増加
・高価格帯の販路拡大による販売単価アップ
・直売所でも単価の高いものが売れるようになった
・通販での販売が増加
(4)流通拡大
・県内外のレストランからの引き合いが増加
・新規の取り扱いのお問い合わせの増加
(5)その他
・新規生産者の増加
・後継者の出現
・作付け面積の増加

 一方で、GI制度やGIマークの認知度がまだまだ低いという声も課題として挙げられています。
 実際、GIマークのついた産品を店舗で見かける機会は少なく、一般消費者の間でGIはあまり浸透していないという印象があります。
 そもそも登録産品の数が少ない上に、農産品が店舗に出回る時期もそれぞれ異なりますので、仕方がないのかもしれませんが。

 少なくとも、GI登録産品の産地では、登録後の生産者の活動などを逐次PRしたり、イベントを開催したりして、露出を増やし周りから忘れられないようにする継続的な努力が必要だと思います。

 次回は弊所が申請代理をした登録第10号の「伊予生糸」の登録後の効果について具体的に説明したいと思います。

鈴木 徳子
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