2025年版中小企業白書を閣議決定 円安・物価高・人手不足に立ち向かう「経営力」の強化とは
中小企業庁は4月25日、「2025年版中小企業白書」および「小規模企業白書」を閣議決定した。物価高、円安、金利上昇、人手不足といった構造的課題が続く中、白書では中小企業・小規模事業者の現状を多角的に分析し、今後の成長と持続的発展に向けた方向性を示している。
今年度の白書では、経営者が環境変化に柔軟に対応し、自律的に成長戦略を描くために必要な力=「経営力」に焦点を当て、その構成要素や実践事例を交えた分析が行われた。
白書が描く中小企業の経営環境と今後の方向性
2025年版白書では、物価や金利、賃上げといったマクロ経済の変化が中小企業・小規模事業者に与える影響を分析するとともに、それにどう対応していくべきかが具体的に論じられている。特に本年度は、「経営力」をキーワードに、経営者の姿勢や戦略、組織の在り方に焦点を当てた点が特徴である。
資材高騰・賃上げ圧力が中小企業経営を直撃
2024年度は、円安や物価高の継続に加え、「金利のある時代」が約30年ぶりに到来した年となった。輸入比率や借入依存度の高い中小企業・小規模事業者にとって、コスト増加による利益圧迫リスクが高まっている。
また、2024年の春季労使交渉では、約30年ぶりに高水準の賃上げ率が記録されたが、大企業との差は依然として大きく、中小企業では賃上げ余力にも限界がある。加えて、深刻な人手不足が続く中、業績改善を伴わない賃上げも進みつつあり、従来のコスト削減型経営の限界が露呈している。
こうした状況に対応するため、白書では、設備投資やデジタル化、適正な価格設定・価格転嫁を通じて、付加価値と労働生産性の向上をはかる経営への転換が必要であると強調している。
「経営力」が未来を切り拓く鍵に
本白書は、中小企業が成長を実現する上で不可欠な力として「経営力」を掲げ、その構成要素を以下の3つの観点から整理している。
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