総務のマニュアル下請法の改正で生まれ変わる「中小受託取引適正化法」の対応実務

手形による決済を採用している会社は要注意! 下請法改正に伴う6つの実務対応のポイント(後編)

弁護士法人堂島法律事務所 弁護士 赤羽 寿海
最終更新日:
2025年11月25日
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前回は、2026年1月1日施行の改正(以下、本改正)により、「下請代金支払遅延等防止法」(以下、下請法)から生まれ変わる「中小受託取引適正化法」(以下、取適法)において必要となる主な実務対応の6つのポイントのうち、「適用対象取引の範囲拡大」と「従業員基準の追加」の2つを解説しました。今回は、残る4つのポイントについて見ていきます。

ポイント3:手形による代金支払いの禁止等

(ア)改正点の概要

改正前の下請法の下では、代金支払期日までに割引を受けることが困難な手形の交付による支払いが禁止されていたものの(改正前下請法第4条第2項第2号)、手形一般による支払いは必ずしも禁止されていませんでした。しかし、本改正により、中小受託事業者への代金支払いのために手形を交付することが全面的に禁止された上、現金・手形以外の代替的支払い手段についても、代金支払期日までに代金相当額の金銭との引き換えが困難であるものを利用することが禁止されました(取適法第5条第1項第2号)。

(イ)実務対応上のポイント

上記(ア)の規制をクリアするためには、取適法の適用対象となる取引について、(i)手形の利用をやめた上で、(ii)(a)決済日を代金支払期日までに到来するように設定した代替的支払い手段(電子記録債権やファクタリング等)に代金支払い方法を変更するか、(b)代金支払期日に現金払い(振り込みを含みます)を行うこととするかの対応が必要になります。

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プロフィール

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弁護士法人堂島法律事務所 弁護士
赤羽 寿海

東京大学法学部卒業、東京大学法科大学院修了。2017年弁護士登録。堂島法律事務所東京事務所所属。大手法律事務所での執務経験を生かし、証券化を含む不動産取引法務、ファイナンス取引法務、M&A法務、再エネ法務を柱としつつ、トランザクション案件から紛争解決まで、スタートアップ企業を含むさまざまな規模・ステージの企業に多様な法的サービスを提供している。

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