高年齢者雇用安定法改正と環境整備

2025年4月から義務化される「65歳までの雇用確保」 改正のポイントをあらためてチェック

日本橋人事賃金コンサルタント・社会保険労務士小岩事務所  代表 特定社会保険労務士 小岩 和男
最終更新日:
2025年03月03日

ビジネス社会の現状を見ると、60歳代前半はまさに現役世代。そうした状況下、2025年4月の法改正により、高年齢者雇用に関して2つの制度が改正されます。その改正内容と、企業に求められる環境整備について、特定社会保険労務士の小岩和男さんに解説していただきました。

改正法施行の背景

高年齢者の雇用は、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」の改正により定年年齢(継続雇用制度等含む)がルール化されてきました。

現在は60歳定年が義務化(定年年齢は60歳を下回ることができない)され、また65歳までの雇用確保措置が定められています。一方で同時期に年金制度も改正されています。老齢厚 生年金の支給開始年齢を60歳から65歳に順次引き上げるという内容です。両者共通の終着年齢は65歳。雇用と年金制度が足並みをそろえて改正されています。

そして2025年4月からは、65歳までの雇用が完全義務化、それに連動して2026年4月からは年金の支給開始年齢が65歳から(男性の場合は昭和36年4月2日以後生まれから)になり ます。65歳になるまでは雇用(就労)、その後年金受給のモデルというわけです。

施行内容

(1)「65歳までの雇用確保」の完全義務化(高年齢者雇用安定法の改正)

高年齢者雇用安定法によれば、定年を定める場合は60歳以上にする必要があります。2013年の改正で、現在定年を65歳未満に定めている企業では、以下3つのうち、いずれかの措置 (高年齢者雇用確保措置)を導入する義務が生じています(高年齢者雇用安定法第9条)。

(a)定年を65歳まで引き上げる
(b)65歳までの継続雇用制度(再雇用制度や勤務延長制度)の導入
(c)定年の廃止

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