アサヒグループ、経営層の女性比率40%以上を目指す 委員会設置やサポーター制度で新方針を推進
アサヒグループホールディングス(東京都墨田区)は12月10日、組織の多様性・多文化を推進する企業ステートメントである「ダイバーシティ&インクルージョン ステートメント」に「エクイティ(公正)」の考え方を追加し、経営層における女性比率を40%以上を目指すと発表した。
推進体制の構築:年2回以上の委員会、経営層と社員が意見交換・提言できる場など
新しいステートメントの名称は「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)ステートメント」。
今回の変更では、特に女性活躍推進を重点テーマとして位置づけており、目標として2030年までに国内外グループ8社の経営層における女性比率を40%以上を掲げている。同社が「経営層」として定義付けたのは取締役、監査役、執行役員、本社部長、事業場長の一部。
またこのDE&Iの実現に向け、同社は「DE&I委員会」の設置や「DE&Iサポーター制度」の導入といった推進体制を構築する。
DE&I委員会は、アサヒグループジャパンの社長を委員長とし、各グループ会社の取締役など7人のメンバーが、制度・仕組みの見直しや環境整備、風土醸成に向けた討議を2022年1月から年2回以上実施する。
DE&Iサポーター制度は、国内グループ会社全社員を対象に15人程度のサポーターを公募。選ばれたメンバーは1年間の任期の間、世代や職種・役職が異なる多様なメンバーの意見を反映させるべく、「会社への提言」「周囲からの意見収集」「周囲の理解促進にむけた働きかけ」といった活動を担う。また、周囲の社員に対しDE&Iの理解促進のための働きかけも行う。
なお、DE&I委員会とサポーターとは年に1回、対話の場を設けられる。
従業員向けの施策:昇格要件・評価制度・研修を見直し 女性社員のキャリア開発も支援
上記の推進体制構築のほか、同社は昇進昇格要件や評価制度を見直す。性別に関わらず育児・介護等を含め、多様なライフスタイルや価値観を尊重し合い、 公平な機会提供や公正に処遇する制度を強化する。男性の育児休業取得目標の設定なども検討する。
また、社内教育および風土醸成に向け新たな研修も実施。2022年1月には、約900人のマネジメント層全員を対象に、無意識の思い込みや偏見(アンコンシャスバイアス)に関する研修を開催。2023年以降は新任マネジャーに対し毎年1回実施する予定。
さらに、女性社員を対象にしたキャリア研修を実施し、女性活躍推進に対する意識を高める。現在、女性社員の参加率が約10~20%である選抜研修などへの参加率も40%に向上させることをめざし、女性社員のキャリア開発を支援する。
そのほか、DE&Iについて考え、意見を交わすワークショップを、2022年5月から月1回程度、毎回テーマを変えて開催。同社のイントラネット上には、常にDE&Iについて語れる場を設け、寄せられた意見に対しては、経営層や人事部門からフィードバックする。
施策を推進するにあたり同社では、新たに「shine AS YOU ARE」をコアメッセージに据えた。社員の個性を尊重するとともに、職場、家庭、公共の場で自分らしく表現し、自由に輝くことを応援する気持ちを込めたという。「shine AS YOU ARE」のメッセージ画像は同社公式サイトから引用。発表の詳細は、こちらで確認できる。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。
アクセスランキング
ダウンロード資料、アイテム
特別企画、サービス
-
総務が押さえておくべき 2023(令和5)年に施行の法令改正情報
2023年は2022年に引き続き施行される育児・介護休業法のほか、労働基準法や労働安全衛生法、国民年金法の改正法令などが施行されます。本稿では今年に施行等される法令の中で、総務業務関連のものをピックアップしました。 -
【編集部厳選】総務1年生にオススメしたいコンテンツ20本
『月刊総務』編集部が、総務1年生やこの春久々に総務業務を担当する方にオススメのコンテンツを厳選。この機会に、総務実務の基本はもちろん、ビジネススキルや総務の考え方について学んでみませんか? -
総務のマニュアル
総務・バックオフィスの実務を実践的にサポートする「総務のマニュアル」シリーズ。ビジネストレンドを押さえた内容で、いま総務が知っておきたいポイントを具体的に解説していきます。 -
多様な働き方に対応する 社内コミュニケーション術
リモートワーク、ABWなど働き方の多様化がさらに広がっています。対面のコミュニケーションが減っている中においても、コミュニケーションを活性化するために、どうしていくべきでしょうか。 -
テレワークを実現するペーパーレス化と文書管理のポイント
ハイブリッドワークの需要が高まったものの、総務・経理などの管理部門では、請求書や契約書など書類のデジタル化に対応できず、出社を余儀なくされた方も多いのではないでしょうか。 -
総務辞典
総務辞典とは、どなたでもご利用いただける、総務業務に関する一般知識、関連法令や実務ノウハウなど総務に関する用語辞典です。 -
無料オンラインセミナーのご案内
月刊総務が開く、無料オンラインセミナーの予定はこちらからご確認ください。さまざまな企業と共催し、より専門的な知識を幅広いテーマで発信。総務の皆様の情報収集にお役立てください。 -
『月刊総務』調査
『月刊総務』では、不定期にアンケート調査を実施し、その結果を公開しています。全国の総務パーソンがどのように業務に対応しているのか、何を感じているのか、総務の現状を確認してみましょう。 -
YouTube 月刊総務チャンネル
『月刊総務』公式YouTubeチャンネルです! 「働き方」「戦略総務」などのテーマについて、数分で気軽にキャッチできる情報を発信していきます。ぜひ、チャンネル登録をお願いします! -
業務効率化&コスト削減 購買プラットフォーム
オフィス用品に関する困りごとを解決し、業務効率化とコスト削減を実現いたします。Kobuyは、一貫堂が提携するパートナーサプライヤに加え、お客様ご希望のサプライヤ商品・サービスを一元管理できるオフィス用品一括購買システムです。