滋賀から始める「工場の働き方改革」 共創をコンセプトに、イトーキが開かれた拠点づくりを推進
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オフィス家具メーカーの株式会社イトーキは、滋賀県近江八幡市にある工場内のチェア工場を全面改修し、1月23日(金)、「ITOKI DESIGN HOUSE SHIGA」としてリニューアルオープンした。同時に、同工場に由来する名を冠した新作ワークチェア「SHIGA」を発表した。
本社を超えるオフィスへ挑戦
滋賀県の中央部に位置し、歴史的な街並みが残る近江八幡市。株式会社イトーキの滋賀工場は、同社のモノづくりを支える主力拠点だ。敷地面積は約10万平方メートル、約500人が働く。その工場内にあるチェア工場が今回、「ITOKI DESIGN HOUSE SHIGA」としてリニューアルされた。チェアの製造・開発に携わる約100人が働く拠点で、リニューアルオープンにあわせて記者発表会が開かれた。
冒頭で登壇した同社代表取締役社長の湊宏司氏は、昨今の働き方とオフィスの変化について語った。湊氏によると、コロナ禍以降、働き方には3つの「波」が訪れているという。
1つ目は、コロナ禍をきっかけにした、行きたくなるオフィスづくり。2つ目は、オフィスや設備への投資を「人」への投資と捉え、社員のモチベーションや生産性、さらには採用力の向上につなげる動きだ。この流れは都市部に限らず、地方にも広がっている。
そして現在、直面しているのが第3の波だ。その舞台は工場や地方拠点。本社だけが整備され、工場は手つかずのままというケースも多く、拠点間での環境格差が生まれてきた。加えて、地方では採用の難易度も高まっている。
こうした状況を受け、イトーキは「工場における働き方」そのものを見直す取り組みを進めている。その象徴が、今回リニューアルされた滋賀工場だ。「東京・日本橋の本社を超えるオフィスをつくった」。湊氏はそう語り、今回の挑戦に強い手応えを示した。
働き方を見直す上で重要な指標の一つが、従業員のエンゲージメントスコアだ。同社は今回のリニューアルに先立ち、製造部門のエンゲージメントスコアを 50.8%(2022年)から81.6%(2025年)へと大きく向上させてきた。
この背景にあるのは、「滋賀工場で働くことへの誇り」を育てるための継続的な取り組みだ。従業員の家族を工場に招く「ファミリーデー」や、全従業員が集まるイベント「OUR PLACE SHIGA」を通じて、職場への理解や部署を越えたつながりを深めてきた。加えて2022年からは「工場アンバサダー制度」を導入。製造現場で働く人たちが自ら現場の情報を社内発信してきた。
こうした取り組みにより、技能職への応募数は4倍に増加し、離職率も半減するなど、具体的な成果も表れている。
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