「オヤカク」は内定辞退を防ぐためじゃない 内定者と親を企業のファンにするチャンスに
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前回は、オヤカクとは何かについて紹介しました。今回はオヤカクへの対応ポイントを解説していきます。
内定者を通じて親との信頼構築を
企業に求められるのは、内定者とその親が置かれている状況や価値観を理解し、どうすれば安心して内定承諾という大きな決断ができるかを一緒に考える姿勢です。では、具体的にどのような取り組みが必要なのでしょうか。
(1)親への「安心材料」をわかりやすく届ける
親にとって、子供の就職先に求める最優先事項は「安心感」です。「苦労しないでほしい」「幸せになってほしい」。そうした思いから、企業の安定性や将来性、福利厚生の充実といった点が、親にとって重要な判断基準になります。
そのため企業側は、以下のような観点で情報を提供することが効果的です。
- 健康経営や福利厚生、住宅支援制度など、生活を支える仕組み
- 長期的キャリアパスの実例(育休復帰率、離職率、管理職比率など)
- 働き手の実感値がわかるコンテンツ(若手社員・保護者へのインタビュー記事など)
採用広報は学生のみに向けられたもの、と思われがちですが、実はその裏側で親が内容をチェックしていることも少なくありません。そのため、難解な専門用語を避け、学生と親の双方に伝わるわかりやすい表現や言葉で情報を届けることが重要です。
(2)内定者が親に伝えたくなる「安心材料」を体感させる場をつくる
コロナ禍を経てオンラインと対面のハイブリッド型の採用活動が定着しつつありますが、企業のリアルな「人となり」や「社風」を感じ取る機会は、コロナ禍前よりも少ない状態です。ですが学生は、直接感じた会社の雰囲気などを親に伝えることで、家族の理解や納得を得ようとする傾向があります。社員座談会やオフィス見学、内定者懇親会など、実際に「企業文化を肌で感じられる場」があることで内定者自身の不安が軽減され、結果として親にもポジティブな印象が伝わります。これにより、親子の会話の中で、自然と企業への信頼形成がされていきます。
対応事例から見る実践的アプローチ
では、実際にどのような対応が各企業で行われているのでしょうか。今回は、具体例を7つ挙げます。内定者とその親との信頼構築に取り組んでいる企業の事例を見ていくと、「特別なこと」ではなく「ちょっとした工夫」であることがわかります。
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