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親の意向が内定辞退を左右する時代に? 広がる「オヤカク」との向き合い方
内定承諾に親の意見を重視 新卒採用の場で注目される「オヤカク」に企業はどう向き合う?
シーズアンドグロース株式会社 代表取締役 河本 英之
最終更新日:
2025年12月01日
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近年、採用現場で「オヤカク(親確認)」への対応が重要視されています。内定辞退の背景に親の意向が影響するケースが増え、企業には内定者だけでなく家族を意識した情報提供や対応が求められています。本連載では、「オヤカク」が注目される背景や企業に必要な配慮、信頼構築につながる工夫や事例を解説します。今回は、まず「オヤカク」とは何か、その基本を整理していきます。
注目されている背景
新卒採用の現場において、近年特に注目を集めているキーワードの一つが「オヤカク(親確認)」です。これは、学生が内定を受諾する際に「親の了承を得る」ことを意味します。「親に反対されました」「親に相談して不安になりました」といった理由で内定辞退に至るケースは、もはや珍しくありません。「親の意見」が、学生の意思決定を左右する時代になってきたのです。
従来は就職先を決める際、「親から自立し、自分で判断する」という価値観が主流でした。しかし、時代とともに、親子の関係性に変化が生まれたり、進路決めの価値観が大きく変わったりしたことで、オヤカクという文化が生まれました。
特に、以下のような社会的変化がオヤカクの広がりに大きく関係しています。
(1)一人っ子の増加
近年の家庭環境の変化として顕著なのが、一人っ子世帯の増加です。厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」によれば、子供の数は総じて減少傾向にあり(図表)、特に18歳未満の子供がいる世帯のうち、実に49.3%が一人っ子という結果が出ています。
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