「みんなで協力」ならやっぱり対面で オフィスでのチーム作業スペースに求める4要素

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前回「これからの『行きたくなる』オフィスは『居心地』がキーワードに 働く場づくりに重要な4要素」では、行きたくなるオフィスの特徴を紹介した。今回は、リサーチセンター所長の花田愛さんに、チームで作業を行う拠点に求める要素についてうかがった。
チームの拠点として必要なのは多様な交流に対応できる空間

ワークデザイン研究所
リサーチセンター 所長
花田 愛さん
大学院修了後、株式会社岡村製作所(現株式会社オカムラ)入社。専門は芸術工学。空間デザイナーを経て、現在はコミュニケーションと空間環境をテーマに、これからの働き方と 空間の在り方について研究する。博士(学術)。大阪大学国際公共政策学部招聘教員、名古屋市立大学芸術工学部非常勤講師。近著に『「行きたくなる」オフィス 集う場のデザイン』(彰国社)。
仕事に適した場所や、リラックスできて居心地のよい空間は、シェアオフィスでも実現は可能だ。環境が整ってさえいれば、自宅も当てはまるだろう。しかし、メンバーとのつながりに関しては、オフィスを超える選択肢はない。花田さんは、「チームの拠点」としてのオフィスに必要な要素について、考察を深めている。
「既存の組織の枠組みでは対応できない課題が増え、部署の枠を超えた横断的なチームで課題解決に臨むプロジェクトワークが注目されています。今後、プロジェクトワークとして取り組む仕事の割合が増えていくでしょう(※1)。どのような働き方を希望しているのか、リモートで働いたことのあるワーカーを対象にアンケート調査(※2)を行ったところ、多くの項目で、『出社とリモートのハイブリッドで働く方がよい』と回答する人が半数以上の結果になりました。しかし、チームでの仕事に関する項目については『全員がオフィスに出社して働く方がよい』と回答する人の割合が高くなりました。オフィスにはチームで行う仕事をサポートする空間が求められています」
※1 株式会社オカムラ「コロナ5類移行後の働き方実態調査」(2023年)
※2 株式会社オカムラ「KNOWLEDGERESEARCH PAPER」(2023年)
どのような場所をチームの拠点として持ちたいと思うのか、調査を行ったところ、4つに大別できることがわかった(図表)。横軸は相談・傾聴、議論・意見交換といった「コミュニケーションの種類」であり、縦軸はにぎやか、静かに代表される「雰囲気」だ。
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