もう「節電の呼び掛け」はいらない! 今すぐ試せるエアコン代削減策のポイントは「競争原理」

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猛暑の今夏、総務担当者としても自社の電気代が気になるところでしょう。今回は昨今の電気代高騰の背景とともに、どうすれば総務部門が節電をマネジメントしていけるか、ハード面、ソフト面の両面で見ていきます。
電気代高騰の原因と法人電気代への影響
電気代の高騰に関するニュースも多いですが、昨今の電気代の高騰をまずは環境要因から整理していきます。
ここ数年の環境要因としていちばん大きいのが地政学リスク(ロシアのウクライナ侵攻など)に伴う液化天然ガス(LNG)の供給不足、その影響での価格上昇が挙げられます。それに加え、新型コロナによる世界的な経済活動の低迷で、産油国が石油、LNGガスの供給を調整したことが、エネルギー価格の高騰につながりました。
また世界的な脱炭素の流れと再生エネルギーへのシフトの流れの中、エネルギーミックス(さまざまな方法で発電するその割合)の取り組みにおいてどうしても後れを取るオフィスに関しては、エネルギーコストは上がる一方です。さらに追い打ちをかけて猛暑となった今夏、エネルギー負荷が大きいのも気になります。それらの環境要因は短期的なものと、中長期にわたるものが入り交じっており、総務部の立場では今後の予測が難しく、年度をまたぐエネルギー費の「予算」を立てるのも非常に難しい状況が続いています。
そもそも企業が払う電気代の内訳は一般的には4つに分類されます。
- 基本料金
- 電力量(kWh)に連動する料金
- 燃料費調整額
- 再生エネルギー賦課金
基本料金、燃料費調整額と再生エネルギー賦課金は日常的にコントロールが利くものではないので、日常的に調整可能なのは電力量(kWh)の削減であり、それが総務部門としていちばん重要なミッションとなります。
kWh(キロワットアワー)は、1か月に使ったエネルギー量の総和(kW=電力、に総時間[h]を掛けた値)ですが、それに単価(円/kWh)を掛けたものが、毎月の電気代となります。
毎月の請求=kWh(使った電力量の総和)×単価(円/kWh)
単価は市場価格の影響をそのまま受けます。自社ビルの場合は電力会社との交渉、賃貸オフィスの場合はビルオーナーとの交渉となりますが、いずれも市場価格に連動するので交渉できる幅は少ないです。高圧(6600V:一般的なオフィスでの受電レベル)での単価の推移は図表1を参考にしてください。電気料金(右軸)が約1年で高騰しているのがわかります。燃料費調整額(左軸)も総務予算への影響が出るレベルに跳ね上がっています。
このようにエネルギー単価が高騰している中で、総務部門としてどのようにマネジメント(やりくり)すべきか、について考えてみます。あえてここで「マネジメント」といっているのは削減ありきでない、という視点が重要という意味です。
エネルギーマネジメント=「創エネ※1」+「省エネ※2」
と定義して整理していきます。
※1 創エネ=自らエネルギーをつくり出すこと
※2 省エネ=エネルギーの無駄を省き効率的に運用すること
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