エネルギー価格高騰、異常気象のリスクに備える 企業の猛暑対策

気にすべきはエアコンの「設定温度」ではない? 猛暑を乗り切るための熱中症・夏バテ・冷房病対策

桃山学院教育大学 人間教育学部 健康・スポーツ課程 教授 栗岡 住子
最終更新日:
2023年07月27日
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今年の夏は、地球温暖化やエルニーニョ現象の影響だけでなく、太平洋高気圧や偏西風の影響で、平年並みかそれ以上の猛暑が予測されています。暑さが続くと、熱中症をはじめ夏バテ、冷房病などのさまざまな心身の不調が出てきます。本稿では、このような体の不調を防ぎ、快適に仕事(生活)をするための注意点についてお伝えします。

熱中症とは? 熱中症の症状とその対策

熱中症とは、高温多湿の環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもることで生じるさまざまな症状です。屋外だけでなく室内で何もしていないときにも起こります。

図表1:熱中症の症状と重症度分類

出所:日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」を参考に筆者が一部改変
(※画像クリックで拡大)

熱中症は図表1のようにI度(軽度)、II度(中等度)、III度(重度)に分類されます。I度は、めまい、立ちくらみ(熱失神)や筋肉のこむら返りがありますが、意識ははっきりしています。II度は、全身のけんたい感や虚脱感、頭痛、吐き気、おう、下痢などの症状があります。III度は熱射病と呼ばれ、40℃以上の高体温に加え、意識障害と発汗停止が主な症状で、全身けいれんも合併し、短時間で死亡する場合もありますし、脳機能に後遺症が残る可能性もあります。II度以上では医療機関への受診が、III度では救急搬送が必要です。

熱中症対策(1):暑さ指数を参考にすること

室内ではエアコンや扇風機で温度を調節し、室温を小まめに確認しましょう。カーテン、ブラインドにより日差しを遮るのも有効です。体の蓄熱を避けるためには、通気性の良い吸湿性・速乾性のある衣服や、屋外で作業する場合はファン付き作業着などを着用したり、保冷剤などで体を冷やす対策も有効です。

環境省が公表している「暑さ指数」(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature値)も参考になります。暑さ指数とは、熱中症を予防するために、気温以外に体に影響を与える湿度、日射・ふくしゃなど周囲の熱環境を取り入れた指標です。暑さ指数が28(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加します。

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