ダイキン工業も定年延長、65歳まで雇用継続 給与引き下げ無しで昇格・昇給も可能に
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ダイキン工業は11月16日、2024年4月1日から定年年齢を5歳引き上げて65歳とし、役職定年を廃止すると発表した。
賃金の前提となる資格等級・評価・賃金制度も65歳まで継続し、給与の引き下げなしで定年まで働くことができるようにする。同社は、こうした人事賃金制度にすることで、ベテラン社員の意欲を引き出したい考えだ。
事業拡大で人材不足に 外部人材の積極採用とともに社内人材のさらなる活用へ
対象となるのはダイキン工業本体の社員。これまでは56歳を役職定年として賃金を見直すことで、賃金を引き下げていた。24年4月からは、現在59歳以下に適用している資格等級・評価・賃金制度について、定年65歳まで継続して運用する制度となる。
新制度では、年齢で一律に賃金が下がることのない仕組みに変更し、賃金水準は65歳まで一貫性のある体系に見直す。24年4月以降は、高い評価を得ることができれは、60歳以降でも昇格・昇給ができる。
ダイキンは空調機の販売にとどまらず、カーボンニュートラルへの挑戦、ソリューション事業の推進、グローバルでの5工場の同時立ち上げと事業拡大を続けており、人材が不足している。
こうした状況に対応するため、同社では外部のキャリア採用の拡大を積極的に進めているが、社内人材の能力を従来以上に引き出し、活用することが最も重要だと判断。定年延長の実施、ベテラン社員の人事・処遇制度の見直しに踏み切った。
同社は「今回の制度見直しで、従来以上に多様な人材が挑戦・成長し、成果を創出する風土へとつなげていきたい」としている。
相次ぐ定年延長 背景には人手不足と高齢者雇用を促す「義務化」「努力義務」
定年を60歳から65歳に延長する企業がここ数年、急増している。最近では、クボタ(大阪市浪速区)が11月14日に管理職相当となる「エキスパート職」の定年年齢を5歳延長して65歳に引き上げると発表。厚生労働省の「高年齢者雇用状況等報告」によれば、65歳まで定年を延長した企業は約2割にのぼる。
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