食事補助の非課税枠、40年以上据え置きの月3500円上限に転機 経産省が税制改正要望に明記
外食関連企業や福利厚生サービス事業者などで構成される「食事補助上限枠緩和を促進する会」(幹事社:エデンレッドジャパン)は9月3日、経済産業省が8月29日に公表した2026年度税制改正要望において、食事補助制度に関する所得税非課税限度額の引き上げが明記されたことを発表した。
同会は、制度見直しに向けた政策的な動きが進んだものとして、「改正実現に向けた大きな前進」との見方を示している。
経済産業省の要望には、「足元の物価上昇の状況などを踏まえ、本制度の非課税限度額の引き上げを行う」と明記された。食事補助制度に関する非課税限度額の見直しが政府の税制改正要望に明記されたのは、今回が初めて。
現行制度と見直しの背景
企業が従業員に支給する食事補助については、一定の条件を満たす場合、所得税の非課税対象となる。現行制度では、会社が現物支給する食事について、従業員の自己負担が半額未満であり、かつ会社の負担額が月額3500円以下の場合は従業員には課税されない。企業側は福利厚生費として損金算入できる。
この非課税限度額は1984年に設定されたものであり、以降40年以上にわたり改定されていない。
制度見直しの機運、民間からの後押しも 1140者・社が構成する「促進する会」とは
「食事補助上限枠緩和を促進する会」は、飲食店、食事補助支給企業、福利厚生サービス事業者など1140者・社で構成される民間団体である。幹事社は、福利厚生食事券事業を手掛けるエデンレッドジャパン(東京都港区)。
同会は、設立以降、国会議員との勉強会や意見交換を重ねてきた。2025年5月には、小泉進次郎衆議院議員(当時)や古川康衆議院議員らに対し、非課税限度額を月額6000円に引き上げることを求める要望書を提出した。
こうした活動を受けて、同年6月に政府が閣議決定した「骨太の方針2025」および「新しい資本主義実行計画2025」において、物価上昇に対応できていない制度として、食事補助の非課税制度が明記された。
制度と物価・賃金の乖離 がもたらす影響
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