中小企業M&A 55の成功事例集とPMIのアクションプランが作れるツールを公開 経産省

月刊総務 編集部
最終更新日:
2024年04月01日
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経済産業省は3月29日、中小企業のPMI促進に役立つアイテムとして、実践ツールと活用ガイドブックおよび実証事業に参加した企業・支援機関の取り組みをまとめた事例集を公表した。

中小企業M&Aの取り組みを基にした実践的ツール、ガイドブックも提供

「PMI」とはPost Merger Integrationの略で、当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合に向けたプロセスを指す。統合の対象範囲は、経営・業務・意識など統合にかかわるすべてのプロセスに及ぶ。

中小企業庁は2022年、「中小PMIガイドライン」を通じて中小企業のPMIの「型」を提示したほか、2023年にはガイドラインを解説する研修動画を公表するなど、同ガイドラインの周知を進めてきたが、中小企業や支援機関におけるPMIの理解・取り組みは依然として十分とはいえない状況にあった。

そこで、同省は実証事業として支援機関の支援の下、譲受企業にPMIに取り組んでもらい、その成果を「PMI実践ツール」「PMI実践ツール活用ガイドブック」として整理した。また、譲受企業・支援機関の取り組みを「PMI取組事例集」として取りまとめた。

これらのツールを活用することで、中小企業におけるPMIの理解・取り組みを促し、M&Aによる企業の成長を目指す。

PMI実践ツールで、M&Aの課題整理から社外の説明までをまとめよう

PMI実践ツールは、「中小PMIガイドライン」の標準的なステップ・取り組みを基に、PMIに取り組むために必要となる「PMI分析ワークシート」「PMIアクションプラン」「統合方針書」の3つのツールで構成される。

「PMI分析ワークシート」は、M&Aの優先課題と対応方針を整理するためのツール。M&Aの目的と成功を定義するとともに、売上や売上指標・収益性指標などの具体的な数値や製品製造・サービス提供における業務フロー、差別化ポイントを入力することで、企業の現状を定量・定性分析する。これにより、譲渡側・譲受側の現状を把握し、優先すべき課題・対応方針が整理できる。

「PMIアクションプラン」は、「PMI分析ワークシート」で確認した対応方針や優先順位を基に、「いつ・誰が・何を行うか」を具体化したツール。スケジュール・担当者・取り組み(To Do)を一覧化し進捗を管理できる。M&A成立前から実施すべき「M&Aの目的確認」「現状把握」「方針検討」を含めたPMIプロセス全体の進捗管理も可能だ。

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