働く親が直面する「保育の切れ目」をカバーする新しい地域連携 山梨県の企業と社会福祉法人

月刊総務 編集部
最終更新日:
2024年05月20日
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旭陽電気(山梨県韮崎市)は5月15日、保育園や子育て支援センターを運営する社会福祉法人ゆうゆう(山梨県甲府市)と、保育に係る包括連携を締結したと発表した。また同日、旭陽電気韮崎工場内に地域の子供を預かる「産福連携型保育室あさひテラス」をオープンしたことも明らかにした。

両者は地域の子育て支援やまちづくり活動への相互協力、工場建屋を生かした災害時における子供の受け入れ協力などで連携を行う。

待機児童がなくなっても残る「保育の切れ目」をカバー

あさひテラスで行うのは、子供の一時預かり事業(認可外保育施設)。同社では、「幼稚園がお休みのときの預け場所がない」「子供の誕生月によって入園時期が遅れる」といったことで、親が育休を伸ばす、あるいは仕事を休まざるを得ない状況を臨機応変にフォローするために、あさひテラスを設立した。

あさひテラスの事業スキームは以下の通り。

  • 旭陽電気:場所整備と設備・備品、電気代等のインフラを負担
  • ゆうゆう:場所を借り、あさひテラスを運営(※場所代の負担なし)

こうした産業界と福祉が連携する保育室運営には、国の「事業所内保育事業」などの仕組みが当てはまらない。一時預かりを含む保育事業は、一定の条件を満たし認可を受けることで、行政からの運営補助が得られるが、今回は補助金の部分も同社が担っている。当初は事業所内保育事業や企業主導型保育事業も検討したが、柔軟性に欠けるとし、独自の形に踏み切った。

同社の金山雄一郎氏(専務取締役)は、「企業が『自社の福利厚生兼地域貢献』という名目で協力することで、質の高い保育環境と、保育士への人件費アップへの道ができる」とコメントしている。

あさひテラスでは今後、働く親向けの子育て支援やキャリア支援のための研修会なども実施し、地域の子育て支援を高めることを検討している。

少子化と労働者不足の中、将来は「働く親のための子育て支援センター」を

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