東京都、「年収の壁」打破へ中小企業に奨励金 配偶者手当の見直しや社会保険加入促進を支援
月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2025年05月16日

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東京都は5月15日、いわゆる「年収の壁」の打破を目的として、配偶者手当の見直しや社会保険に加入した非正規雇用者向けの手当新設などに取り組む中小企業などに対し、奨励金を交付することを発表し、第1回事前エントリーの受付を開始した。これは、働く意欲のある女性が就業調整を行うことなく能力を十分に発揮できる環境の整備を狙いとしたもの。
併せて、女性従業員の処遇改善や賃金の引き上げに向けた男女間の賃金格差改善の取り組みに対し、奨励金を支給する「男女間賃金格差改善促進奨励金」の募集も開始された。
「年収の壁突破総合対策促進奨励金」を拡充
この奨励金制度は、従来実施されてきた「配偶者手当見直しコース」に加え、2025年度より「社会保険加入促進コース」を新設。社会保険料の負担が増えることで働き控えにつながるケースに対応するため、非正規雇用者が負担する社会保険料に関する手当の新設を行った企業に対して支援を行う。
奨励金額は拡充され、1コース当たり30万円、2コース同時に申請する場合は50万円が交付される。企業の取り組み期間は交付決定から3か月以内とされており、専門家による個別相談を計2回受けることなどが条件となる。
社会保険加入促進コースの要件
同コースでは、以下の取り組みを実施する必要がある。
- 非正規雇用者に対し、新たに社会保険料に関する手当を新設すること(既存手当がないことが条件)
- 社会保険未加入の非正規雇用者が1人以上、社会保険に新たに加入する計画を立てること
- 労使協定を締結後、就業規則を改正し、労働基準監督署へ届け出ること(従業員10人未満の事業者も対象)
- 手当の内容について、社内周知および関連研修を実施すること
配偶者手当見直しコースの要件
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