フリーアドレス、社員には不評? 「席が足りない」「誰がどこにいるかわからない」
1ヶ月のアクセスランキング
ビジネスメタバースを開発・提供するoVice(石川県七尾市)は9月13日、フリーアドレス導入企業で、リモートワークと出社の「ハイブリッドワーク」を実施中の社員103人を対象に、フリーアドレスに関する実態調査を実施し、その結果を発表した。
調査によると、コロナ禍以降、オフィススペースの有効活用やコミュニケーション活性化などを目的に、7割以上の企業がフリーアドレスを導入。一方で、導入の効果を実感している社員は限定的で、半数以上が「誰がどこにいるかわからない」「座席が足りない」などの課題に直面していることが明らかになった。
社員の働き方に変化を促すことを目的に、フリーアドレスを導入する企業が増えている
フリーアドレスの導入時期について質問したところ、「2019年以前」と回答した人は21.4%にとどまり、7割以上の企業がコロナ禍以降にフリーアドレスを導入していることがわかった。
フリーアドレスの導入理由としては、「オフィススペースの有効活用」が64.1%で最も多く、次いで、「コミュニケーションの活性化」が49.5%、「社員一人ひとりの自律的な働き方の促進」が36.9%、「組織変更への柔軟な対応」が27.2%の順だった。
コストや効率だけはでなく、社員の働き方改革を目的としている企業が多い傾向が見られた。
フリーアドレスを積極的に導入するも、社員からの反応はイマイチ
また、社員に対し、項目ごとの「フリーアドレス導入の効果」を尋ねたところ、「オフィススペースの有効活用」が38.8%、「コミュニケーションの活性化」が31.1%、「社員一人ひとりの自律的な働き方の促進」が24.3%と、いずれの項目も4割に満たず、効果をあまり感じていない社員が多かった。
社員が感じるフリーアドレスの課題、上位3つはこれ
同調査では、社員にフリーアドレスの課題についても聞いた。上位3つは以下の通り。
- 誰がどの座席にいるかわからない(56.3%)
- 座席が足りないときがある(50.5%)
- 特定の人が同じ座席に座り続ける(42.7%)
そのほか、回答者は以下のような点を、フリーアドレスの課題に挙げている。
- ちょっとした相談に手間がかかるようになった(21.4%)
- 近くにいる他の社員の所属や役職がわからない(19.4%)
- 自分の所属するチーム・部門単位のコミュニケーションが不足する(16.5%)
- 他部門とのコミュニケーションが不足する(13.6%)
- リモートワークの人を交えた会議をする場所が足りない(12.6%)
- 情報のセキュリティを保ちにくい(8.7%)
なお同調査では、フリーアドレスの効果・課題と関連して、メタバース活用に関する調査も実施。その結果、63.1%が「メタバースは活発な交流を促すきっかけになる」と回答するなど、現実のオフィスのように会話できて出社状況がわかるメタバース活用に関心が高いことがわかった。
同調査の詳細はこちらで確認できる。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。