フリーアドレス、社員には不評? 「席が足りない」「誰がどこにいるかわからない」

月刊総務 編集部
最終更新日:
2023年09月14日
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ビジネスメタバースを開発・提供するoVice(石川県七尾市)は9月13日、フリーアドレス導入企業で、リモートワークと出社の「ハイブリッドワーク」を実施中の社員103人を対象に、フリーアドレスに関する実態調査を実施し、その結果を発表した。

調査によると、コロナ禍以降、オフィススペースの有効活用やコミュニケーション活性化などを目的に、7割以上の企業がフリーアドレスを導入。一方で、導入の効果を実感している社員は限定的で、半数以上が「誰がどこにいるかわからない」「座席が足りない」などの課題に直面していることが明らかになった。

社員の働き方に変化を促すことを目的に、フリーアドレスを導入する企業が増えている

フリーアドレスの導入時期について質問したところ、「2019年以前」と回答した人は21.4%にとどまり、7割以上の企業がコロナ禍以降にフリーアドレスを導入していることがわかった。

あなたの会社はいつフリーアドレスを導入した?
あなたの会社はいつフリーアドレスを導入した?(※画像クリックで拡大)

フリーアドレスの導入理由としては、「オフィススペースの有効活用」が64.1%で最も多く、次いで、「コミュニケーションの活性化」が49.5%、「社員一人ひとりの自律的な働き方の促進」が36.9%、「組織変更への柔軟な対応」が27.2%の順だった。

コストや効率だけはでなく、社員の働き方改革を目的としている企業が多い傾向が見られた。

フリーアドレスを積極的に導入するも、社員からの反応はイマイチ

また、社員に対し、項目ごとの「フリーアドレス導入の効果」を尋ねたところ、「オフィススペースの有効活用」が38.8%、「コミュニケーションの活性化」が31.1%、「社員一人ひとりの自律的な働き方の促進」が24.3%と、いずれの項目も4割に満たず、効果をあまり感じていない社員が多かった。

フリーアドレス導入により、効果があったと思う項目は?
フリーアドレス導入により、効果があったと思う項目は?(※画像クリックで拡大)

社員が感じるフリーアドレスの課題、上位3つはこれ

同調査では、社員にフリーアドレスの課題についても聞いた。上位3つは以下の通り。

  1. 誰がどの座席にいるかわからない(56.3%)
  2. 座席が足りないときがある(50.5%)
  3. 特定の人が同じ座席に座り続ける(42.7%)

そのほか、回答者は以下のような点を、フリーアドレスの課題に挙げている。

  • ちょっとした相談に手間がかかるようになった(21.4%)
  • 近くにいる他の社員の所属や役職がわからない(19.4%)
  • 自分の所属するチーム・部門単位のコミュニケーションが不足する(16.5%)
  • 他部門とのコミュニケーションが不足する(13.6%)
  • リモートワークの人を交えた会議をする場所が足りない(12.6%)
  • 情報のセキュリティを保ちにくい(8.7%)

なお同調査では、フリーアドレスの効果・課題と関連して、メタバース活用に関する調査も実施。その結果、63.1%が「メタバースは活発な交流を促すきっかけになる」と回答するなど、現実のオフィスのように会話できて出社状況がわかるメタバース活用に関心が高いことがわかった。


同調査の詳細はこちらで確認できる。

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