採用時給1255円で新人と既存社員の格差が縮小? 迫られる賃金体系と就業規則の改定
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株式会社帝国データバンク(東京都港区)は10月19日、全国2万2095社を対象に、最低賃金に対する企業の実態についてアンケート調査結果を発表した。なお、最低賃金に関する同社の調査は今回で5回目となる。
※「最低時給」は、従業員を採用するときの最も低い時給の平均値で小数点第1位を四捨五入している。なお、日給・週給・月給の場合は、時給に換算している 調査期間:2026年9月14日~9月30日(インターネット調査) 調査対象:全国2万2,095社、有効回答企業数は1万235社(回答率46.3%)
採用時の最低時給は平均1255円 賃金引き上げが進む一方で企業の賃上げ余力は低下
正社員、非正社員を問わず、企業が従業員を採用する際の最も低い時給(以下、最低時給)は、平均1255円となり、前年から50円上昇した。厚生労働省が発表した2026年度の最低賃金(以下、最低賃金)の全国加重平均1177円を78円上回っている。
採用時の最低時給と最低賃金の差額を見ると、2024年の112円から2025年は84円、2026年は78円へと2年連続で縮小した。最低時給そのものは上昇しているものの、最低賃金との差は縮まっているという。企業からは、「最低賃金の改定にともなってパート従業員の賃金は5年間で30%以上上昇した。一方で、粗利益は同じようには増えておらず、正社員の賃上げ原資が削られている」(紙類・文具・書籍卸売、東京都)との声が聞かれた。
業界別に見ると、「不動産」が1318円で最も高く、次いで「サービス」が1296円、「建設」が1293円と続いた。一方で、「農・林・水産」は1155円、「小売」は1172円、「製造」は1203円となり、全体平均を下回っている。
さらに、51業種別で見ると、「情報サービス」が1443円で最も高かった。同業種からは、「AIを使いこなせる人は効率よく働けるため、単価を上げることは可能だが、採用する人材の水準も上がり、必然的に少数精鋭の体制となる」との声が聞かれた。専門性や生産性を重視する業種では、採用する人材に求める水準とともに、提示する賃金も高くなるようすが表れていると同社は捉えている。
他方、最低時給が低い水準にある業種では、賃金上昇分を価格転嫁しにくい状況がうかがえると同社は分析する。企業からは、「今後も最低賃金の引き上げが続く場合、値上げするしかない。ただ、値上げすれば売れ行きが落ちる。値上げをしなければ会社が立ち行かなくなる」(飲食料品小売、山形県)との声が寄せられた。
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