禁煙治療費の補助や3万円の健康手当で喫煙率を半減 エムステージが「もく卒」施策を継続

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2025年06月02日
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エムステージホールディングス(東京都品川区)は5月31日、同社グループの従業員喫煙率が5.4%となったと発表した。これは2021年時点の11.7%から半減しており、昨年に続いて喫煙率の減少に成功したかたちだ。同社は、禁煙支援制度「もく卒」に基づき、健康手当の支給や治療費の補助など、複数の施策を継続的に実施している。

世界保健機関(WHO)は5月31日を「世界禁煙デー」と定めており、喫煙をしないことが一般的な社会習慣となることを各国に呼びかけている。厚生労働省も同日から1週間を「禁煙週間」として啓発活動を行っており、同社の取り組みはこうした流れにも沿ったものといえる。

家族も参加できるカウンセリングなど、喫煙率低下に寄与した9つの具体策

エムステージの「もく卒」は、産業医や保健師によるサポート体制と職場風土の改革を組み合わせた内容で構成されている。主な施策は以下の通り。

  1. たばこに関する知識提供

    産業医からのたばこに関する衛生講話や保健師による喫煙者向け禁煙セミナーの継続実施。

  2. 産業保健師によるマンツーマンサポート

    産業保健師による喫煙者への個別カウンセリングを実施。配偶者や家族も可能で、禁煙成功まで専門家がサポート。

  3. 禁煙を応援する風土の醸成

    禁煙に失敗する最大の要因を「孤独感」とし、禁煙開始時に「もく卒宣言」を周囲に対して行い、本人の身近な社員を「もく卒応援サポーター」に任命。応援する風土の醸成に努めている。

  4. 禁煙治療の費用補助

    禁煙外来や禁煙治療薬の費用を、1年に上限2万円まで、一人につき3回まで支援。社員の金銭的なハードルを下げることで、専門外来や治療薬による効果的な禁煙に取り組める。また禁煙に失敗しても再度挑戦できるよう、複数回の利用が可能。

  5. 受動喫煙対策の実施

    就業時間内禁煙を規定化。

  6. 昇給・採用要件に禁煙を追加

    2022年度より、マネージャー・執行役員・取締役への昇給要件、採用要件に禁煙を追加。

  7. 「禁煙推進企業コンソーシアム」への参加

    定期的な情報交換や最新の禁煙ノウハウを学ぶことで効果的な禁煙推進を実施。

  8. 健康増進手当

    全社員を対象として、有給消化率60%以上、会社規定内の残業時間、非喫煙、BMI標準値(健診結果)などを年間で達成した場合、年額3万円の達成手当を支給。

  9. 健康増進ボーナス

    非喫煙者限定で年額2万円を上限に、各種がん等のオプション健診を会社で負担。

従業員の97.5%が「もく卒」に満足 「たばこ休憩の不平等」が生まれない施策

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