総務のマニュアル
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取得する側も送り出す側も働きやすい職場に 育児・介護休業の手続きと体制整備のポイント
御社の就業規則はきちんと反映されている? 2022~2023年育児・介護休業法改正点総ざらい
社会保険労務士 佐佐木 由美子
最終更新日:
2023年11月06日
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今年、政府は「異次元の少子化対策」を打ち出し、子供・子育て世帯に対する支援の強化をはかっています。これらに先駆けて「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」が2021年6月9日に公布されました。2022年から2023年にかけて段階的に改正が行われ、今後もさらなる改正に向けた議論が行われています。本企画では、主に育児休業を中心として行われた改正の内容のほか、育児休業、介護休業の手続きの流れや各種支援金の情報、さらに休業する側も休業者の仕事を分配される社員も気持ち良く働ける体制づくりのポイントなどについて3回に分けて紹介していきます。まずは改正が行われた背景と改正点のポイントについて解説します。
育児・介護休業法が改正された経緯・背景
育児・介護休業法の改正が行われた背景として、仕事と育児との両立を巡る厳しい状況があります。第1子出産後の女性の就業率は約7割と徐々に改善されていますが、家事・育児の負担は女性に偏っており、仕事を続けたい意欲はあってもあきらめざるを得なかった方は少なくありません。
一方、育児休業制度を利用したいと考える男性従業員が増えているにもかかわらず、思うように取得が進まないことも問題視されていました。「出産における心身の回復が必要な時期に妻のそばにいたい」「育児に最初からかかわりたい」など、出産直後の取得ニーズが20歳代~30歳代の男性を中心に高まっています。
しかし、男性の育休取得率は依然として低く(2019年時点では7.48%)、さまざまな調査から育児休業を取得しない理由として、業務の都合や職場の取得しにくい雰囲気といったものが挙げられていました。
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