「人的資本調査2023」結果発表 企業は多様性を重視する傾向が進むが、データ活用に課題
月刊総務 編集部
最終更新日:
2024年03月22日
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一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(東京都渋谷区)は3月21日、人的資本経営と開示に関する、企業の取り組み状況や傾向についての「人的資本調査2023」の結果を発表。全体的に取り組みレベルが向上している一方、人的資本データの効率的な活用などに課題があることを示した。
また、調査回答社の傾向として「多様性」を重視するという流れを意識し、企業として個を生かした人的資本の価値向上を目指す傾向があることも明らかにした。
経営トップの関与やストーリー構築、多様性に向けた施策は向上
「人的資本調査2023」分析リポートでは、大半の項目で、2022年に実施した前回調査時より取り組みレベルが向上していると評価。特に取り組みが進んでいると評価したのは、以下の5項目だ。
- 人材戦略の可視化と発信への経営トップの関与
- 企業価値向上に向けたストーリーの構築
- 経営課題に連動した人材戦略およびKPIの設定、施策の実施
- 多様で柔軟な働き方の実現に向けた人事制度の整備・改善
- 多様で柔軟な働き方の実現に向けた、業務デジタル化の推進
データは取得できた、次の課題はデータ連携と財務指標を含めた統合
業務デジタル化の推進でデータ取得が進む一方、データ連携や活用には課題が見られた。レポート内で取り組みレベルに課題がある、と指摘されたのは以下の項目だ。
人事システムの統合的管理
9割近くの企業が、複数領域にまたがる人事関連のデータ連携に課題を抱えており(85%)、ほとんどの企業で工数を掛けなければ十分なデータ連携ができないことがわかった。
人的資本に係る取り組みと財務指標との関連性の整理
3分の2の企業が、人的資本の取り組みと財務指標の関連を検討できていない、あるいは始めたばかりであると回答(65%)。関連性のデータ分析ができていない企業の割合は8割を超える。
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