生産性がアップするリカバリー法

なぜ休憩しても疲れは取れないのか 明日から仕事がもっと楽になる、「正しい休み方」のヒント

一般社団法人日本リカバリー協会 代表理事 株式会社ベネクス 執行役員 片野 秀樹
最終更新日:
2026年08月03日

パーソル総合研究所「はたらく人の休憩に関する定量調査」によると、「休憩で休めている」と感じている人は、全体のわずか5割未満にとどまりました。休憩の質は、生産性や集中力、職場全体のパフォーマンスにも影響を与えます。本連載では、効果的な休憩とは何か、個人でできる工夫や企業としてどう支援できるかを解説します。

「休憩」は取っているのになぜ疲れているのか

「昼休みはきちんと取っている」「業務の合間に一息つく時間もある」。にもかかわらず、「もう疲れている」「午後になると集中力が続かない」と感じている人は少なくありません。株式会社パーソル総合研究所が実施した「はたらく人の休憩に関する定量調査」によると、「休憩で休めている」と実感している人は、全体の5割未満にとどまります(図表1)。この結果は、休憩という時間や制度は存在していても、しっかりリカバリーするという本来の目的が十分に果たされていないことを示しています。つまり日本人の多くが、「休んでいるのに、休めていない」状態にあり、休み方を見直すために「休みとは何か」を考えるタイミングが来ているといえるでしょう。

図表1:休憩で休めていると感じているか

出所:株式会社パーソル総合研究所「はたらく人の休憩に関する定量調査」

一般社団法人日本リカバリー協会が毎年実施している全国10万人の大規模調査でも、「疲れている人」は全体の約8割に達しています。約25年前の厚生労働省の報告と比較して2割増加していることから、疲労が社会全体に広がっていることは明らかです(図表2)。疲労は一部の人の問題ではなく、働く環境や休み方の在り方そのものと深く結び付いている社会の構造的な課題と考えられます。

図表2:日本の疲労状況2025

出所:一般社団法人日本リカバリー協会「リカバリー白書2025」

休憩は、本来、心身をリフレッシュさせ、集中力や判断力を回復させるための重要な時間です。しかし休憩の質が低ければ、疲労は回復せず、生産性の低下や事故、健康リスクにつながります。

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プロフィール

一般社団法人日本リカバリー協会 代表理事 株式会社ベネクス 執行役員
片野 秀樹

医学博士。東海大学医学部研究員、日本体育大学体育学部研究員、理化学研究所客員研究員を経て、博慈会老人病研究所客員研究員、日本疲労学会評議員を務める。教育活動として休養士の育成にも取り組む。著書に『休養学;あなたを疲れから救う』(東洋経済新報社)、『休養マネジメント;「自分だけの休み方」が見つかる忙しい人のためのリカバリー戦術』(かんき出版)ほか。近著『今さら聞けない休養の超基本』(朝日新聞出版)。

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