中小企業庁、「100億宣言」初回311社を公表 補助金・税制など成長メリット明示し支援本格化
中小企業庁は6月17日、「年商100億円」をスローガンとした中小企業の事業拡大支援策について、初回の「100億宣言」企業311社を特設ポータルサイトにて公表。すでに多様な業種、幅広い売上規模の企業が、全国から参加していることが明らかになった。
全国1500社超が「100億宣言」 業種も売上規模も多様
宣言には申請受付から1か月で全国47都道府県の企業が参加。1500件以上が申請されており(6月9日時点)、売上高の規模も10億円台から90億円台まで幅広い。業種も製造業、建設業、運輸業、情報通信業など、多岐にわたる。
申請は引き続き受け付けており、申請済み案件を含めて事務局が確認次第、「100億企業成長ポータル」に順次公表される。「100億企業成長ポータル」は、中小企業の飛躍的な成長を後押しするため4月に開設された。
補助金や税制拡充など政府も成長企業を強力バックアップ
「100億宣言」は、中小企業が自ら「売上高100億円」という高い目標を掲げ、その野心的な目標の実現に向けた具体的な計画や取り組みを宣言するもの。政府は、売上100億円の中小企業(100億企業)は、高いレベルで外需と内需を取り込み、収益を上げて生産性向上をはかり、賃上げを実現し、人口減少社会においても、地域経済の好循環を扇動する存在」と言及。各地域に「100億企業」のような成長中小企業を創出することが重要、としている。中小企業白書でも年商100億円を目指す企業を増やす意思を示していた。
「政策による強力な後押しが必要」と、税制措置の意義を示しており、すでに6月2日より中小企業経営強化税制の新たな拡充枠としてE類型(経営規模拡大設備等)を設置。受付を開始している。
また、「中小企業成長加速化補助金」は「100億宣言」を行うことが要件となっている。同補助金は賃上げへの貢献、輸出による外需獲得、域内の仕入による地域経済への波及効果が大きい中小企業の大胆な投資を支援する。1次公募の申請受付は終了しているが、2次公募が行われる予定。
「100億企業成長ポータル」やネットワークで成長企業を後押し
宣言を行った企業は、宣言取得による補助金・税制の活用に加え、宣言を行った成長を目指す経営者が地域・業種を超えてつながる経営者ネットワークへの参加、100億企業成長ポータルへの掲載などが可能になる。宣言には以下の内容を盛り込むことが求められる。
- 企業概要(足下の売上高、従業員数等)
- 売上高100億円実現の目標と課題(売上高成長目標、期間、プロセス等)
- 売上高100億円実現に向けた具体的措置(生産体制増強、海外展開、M&A等)
- 実施体制
- 経営者のコミットメント(経営者自らのメッセージ)
公表された各社が掲げる「100億宣言」には、「スマートファクトリー投資、M&Aによる装置メーカーへの転換、新市場開拓」(株式会社西田製作所)、「製造業向けクラウドERPを進化させ、中小企業を主とした販売構造から大企業へも販売を拡大」(株式会社シナプスイノベーション)など、売上高100億円実現に向けた課題や具体的措置が記載されている。
各企業の「100億宣言」の内容やひな型は「100億企業成長ポータル」で確認できる。
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