社労士が選ぶ2023年度総務・人事が注目すべき助成金・補助金 「IT導入・新規事業」編

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前回は雇用に関する補助金について紹介しました。今回はIT設備の導入に関する補助金と新規事業開発などに関連する助成金について見ていきましょう。
※助成金は2023年2月17日時点の情報となります。2023年度の詳細公表前であり、2023年度予算案と 2022年度の取り扱いを基に記載していますので、2023年度の取り扱いと異なる可能性があります。
IT設備などの導入に関する補助金 - IT導入補助金-
中小企業・小規模事業者が売り上げや業務効率を高めるために、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際の経費が補助されます。
おすすめの理由
インボイス(適格請求書)への対応や、企業間取引のデジタル化を推し進めるため、2022年度から対象のITツールを導入する際の助成率が引き上げられました。2023年10月から始まるインボイス制度に向けて、これから対応ソフトを導入する場合は特におすすめです。
補助額
導入するソフトウエアに会計・受発注・決済・EC(電子商取引)の機能がある場合は「デジタル化基盤導入類型」の申請対象となります。機能がない場合は通常枠AまたはB類型で申請します。補助額と補助率は類型ごとに定められています(図表)。
図表:IT導入補助金の申請類型と補助額・補助率

※プロセスとは、決済・発注・仕入れ管理・シフト作成など、労働生産性を向上したり効率化したりする業務工程などを指す
出所:サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイト「IT導入補助金2023」(2023年3月21日取得)
補助対象は、パッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用などで、クラウド利用料は最大2年分の費用が対象です。デジタル化基盤導入類型は、ハードウエアの購入費用も、ソフトウエア導入と併せて購入する場合に限り対象です。また、サプライチェーンや商店街など複数の中小企業・小規模事業者などが連携してITツールを導入する場合は、消費動向等分析経費(生体認証決済システムやAIカメラなど)や、補助事業者が参画事業者を取りまとめるために要する事務費なども対象となります。
セキュリティ対策推進枠では、セキュリティ対策のために対象リストに掲載のサービスを導入する場合に、最大2年分のサービス利用料が補助されます。

主な支給要件と注意点
IT導入支援事業者が提供し、かつ補助金対象として登録されたITツールであることが必要です。つまり、補助金申請はIT導入支援事業者と協力して進めることになります。受け付けは電子申請のみで、事前にアカウント取得が必要です。
B類型は賃上げ目標があるため、事業計画期間において、(1)原則、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加する、(2)事業場内最低賃金を「地域別最低賃金+30円以上」の水準にする、という要件を全て満たす3年の事業計画を策定し、社員への表明が必要です。
2023年度は3月20日から申請受け付け開始、締切日は本事業ホームページ上で随時更新されます。
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