総務部門が押さえておくべき内部統制実務

内部統制報告制度の目的と仕組み

米国公認会計士・公認内部監査人 打田 昌行
最終更新日:
2022年08月05日
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ロシアによるウクライナ侵攻により、サイバー空間が無法化しつつあります。もちろん私たちの身近で物理的な戦闘行為が起きているわけではありませんが、日本を代表する企業や地方の病院で、サイバーテロによって身代金を求められる被害が多発しています。こうした被害を予防するため、内部統制報告制度の働きが求められ、実際に活躍していることをご存じでしょうか。ここでは、内部統制とは何を目的に、毎期どのように整備されて運用されているのかについて解説します。

内部統制の概要

内部統制とは、会社の事業活動を円滑に進めるための仕組みと、それにかかわる活動を指しています。そのため、内部統制と上場の有無は関係ありません。しかし、内部統制報告制度というと、話は異なります。この制度は、金融商品取引法や会社法などによって定められ、企業の中でも上場企業のみが導入を求められる制度を指します。

内部統制報告制度が創設された経緯

2000年代初頭、米国では株式市場の信頼を大きく揺るがす巨額の不正事件が頻発しました。そして時を同じくして、日本でも不正事件が続きました。時まさに、ITバブルの時代。IT企業と聞けば、投資家はすぐお金を出して投資する状況の中、株式会社ライブドア(当時)や西武鉄道株式会社、株式会社カネボウ化粧品など伝統ある企業でも粉飾や虚偽記載が次々と明らかになり、株式市場の信頼が大きく失墜しました。こうした中、株式市場の信頼回復を目指して2008年に創設されたのが、内部統制報告制度です。

内部統制の基本的な目的

一般的に内部統制の基本的な目的は、次の4つです。

  1. 業務の有効性および効率性
  2. 財務報告の信頼性
  3. 事業活動にかかわる法令等の遵守
  4. 資産の保全

これら内部統制が持つ4つの基本的な目的のうちで、内部統制報告制度が目指すものは、そのうちの1つである財務報告の信頼性です。つまり信頼できる決算書と、それにかかわる正しい会計情報を作るための仕組みを整備し、適切に運用することが、内部統制報告制度の目的になります。

こういうと、内部統制報告制度は経理や財務部門だけが担当するもので、総務部門には関係はないと考える人がいます。しかし、内部統制報告制度は、総務部門にも大きく関係しています。

総務部門がかかわる財務報告の信頼性とは

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著者プロフィール

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米国公認会計士・公認内部監査人
打田 昌行

コンサルティングファーム、IT企業を経て、株式会社日立製作所グループ傘下の内部統制部門に10年以上所属。海外拠点を中心に、グループ内外企業に内部統制報告制度を導入、実績を上げる。地道なインタビューと綿密な文書作りにとどまらず、監査結果を巡る監査人との折衝にける。内部統制、コンプライアンス、不正予防や会社の仕組み作りに関して広く執筆、研修講師も務める。一般社団法人 内部監査協会で論文発表多数、講演実績あり。

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