熱中症対策だけで十分ですか? 企業活動を脅かす熱波との付き合い方
もはや災害! 「熱波」が引き起こす企業活動への影響、熱中症以外に考えられるリスクとは
BCP策定・気候リスク管理アドバイザー、文筆家 昆 正和
最終更新日:
2023年08月08日

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気候変動による熱波の影響は近年常態化する傾向にあり、世界中で災害級の脅威となっています。本稿では、40℃超えの熱波が日本を襲うのは時間の問題であること、企業活動を阻害する大地震に匹敵するリスクであることを指摘し、熱中症対策にとどまらず、BCPとして考えておくべきポイントなどを2回にわたり解説します。
ニュースが報じない「熱波」
ここ数年、夏の到来が早まり、秋への移り変わりが遅くなっていると感じている方も少なくないでしょう。ニュースでは30℃以上の日を「真夏日」、35℃以上の日を「猛暑日」と呼んでいますが、もはやこうした夏の風物詩のような言葉には収まらない事態が迫りつつあります。それが、これからお話しする「熱波」です。
気象庁は熱波について「広い範囲に4、5日またはそれ以上にわたって相当に顕著な高温をもたらす現象」と定義しています。数字上の明確な基準がないためか、国内の気象情報でこの用語を使うことはほとんどありません。
本稿では、たとえば38~40℃を超える猛烈な高温の日が何日も続き、社会・経済の持続可能性が脅かされる異常事態という意味合いで、海外に倣って「熱波(Heatwave)」と表現することにします。
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