熱中症対策だけで十分ですか? 企業活動を脅かす熱波との付き合い方

昔と違う夏をどう生き抜く? 「熱波」時代に起こるインシデントと企業が備えておくべきBCP対策

BCP策定・気候リスク管理アドバイザー、文筆家 昆 正和
最終更新日:
2023年08月09日
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前回「もはや災害! 「熱波」が引き起こす企業活動への影響、熱中症以外に考えられるリスクとは」では熱波に引き起こされる健康被害や企業活動へのさまざまな影響について解説しました。今回はこれからの環境への適応方法やBCPとして考えておくべきポイントなどをお伝えします。

いかにこの環境に適応していくか?

熱波の原因である気候変動が、長年化石燃料を使い続けてきた人類によって引き起こされた「人災」である以上、「いつかは自然におさまるのではないか」と期待することなどできません。先の見えない熱波の時代を迎えた今、私たちにできることは「熱波を見据えた環境への適応」と「BCPによる事業活動への影響軽減策」の2つしかありません。

熱波に「適応」するということは、私たち一人ひとり、そして行政、ビジネス、地域コミュニティーが来たるべき夏場の過酷な暑さを受け入れ、順応していくことにほかなりません。個人でできる適応方法としては、たとえば「汗をかきやすい体を作る(暑熱順化)」があります。エアコンによる涼しく快適な環境に慣れてしまった私たちは、高温多湿の環境に対して脆ぜい弱じゃくになっているため、暑さに対する適度の耐性を養うことが肝要なのです。

また、猛暑日に外出や運動を避けることは広く定着しつつありますが、より身近な生活習慣の見直しも必要でしょう。たとえば猛暑日のアルコールの摂取は、過剰な水分が失われて熱中症にかかりやすくなるため避ける、気温が35℃以上のときは扇風機を使わない(熱風を浴びることになり、体温調節に役立たないため)といったことです。

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プロフィール

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BCP策定・気候リスク管理アドバイザー、文筆家
昆 正和

企業のBCP策定/気候変動リスク対策・適応策に関するアドバイス・講演・執筆活動に従事。一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会理事。著書に『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP 』(日刊工業新聞社)、『山のリスクセンスを磨く本 遭難の最大の原因はアナタ自身にあった(ヤマケイ新書)』(山と渓谷社)など全14冊。雑誌やWebへの寄稿・連載など多数。趣味は登山と読書。著者のnoteはこちら

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