「消しゴム」「萬」「早押し機」が上位に INPIT、J-PlatPat検索ランキングを発表

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2025年12月18日

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)は12月17日、2025年1月から11月までの特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)における特許・意匠・商標文献のアクセス状況を発表した。ランキングの公表は昨年に続き2回目であり、今年は初めて意匠・商標も集計対象に含めた。

知的財産に直接かかわりのない立場であっても、今年話題となった商品やアイデアが、どのように知財として登録されていたのかを知る手掛かりとなる。アクセスランキングを通じて、知財の世界と社会の話題とのつながりが見えてくる。

J-PlatPatとは? 無料で使える「知財検索サイト」

J-PlatPat(Japan Platform for Patent Information)は、INPITが特許庁とともに運営する無料の産業財産権情報検索サービスである。国内外の特許・実用新案・意匠・商標に関する情報を検索・閲覧でき、出願人や発明の内容、審査結果なども確認可能だ。

同サービスにおける文献アクセス数は、技術や商標などの注目度を示す一つの指標とされる。昨年初めて年間アクセス状況の公表が行われたところ好評を得たため、今年も引き続き集計・公開が実施された。

2025年注目の特許・意匠・商標ランキング

INPITによれば、ランキング上位には特許庁が教育コンテンツや広報企画で取り上げた事例が多く見られる。動画や教材を通じて発明の仕組みや意匠の価値を紹介することで、知財に対する関心を喚起している。知財の「見せ方」が注目度に影響を与えることが、今回の結果からも読み取れる。

第1位にランクインした産業財産権の概要は以下の通りである。

  • 特許(実用新案):コクヨ株式会社の「消しゴム」(特許第4304926号)
  • 意匠:株式会社batonの「早押し解答機」(意匠登録第1779915号)
  • 商標:キッコーマン株式会社の「萬」のロゴマーク(登録第0050131号/46)

テレビやSNSで話題に 身近なアイデアが登録へ

話題性やユニークさを武器に、テレビやSNSなどで注目を集めたアイデアが、知的財産として正式に登録されるケースが増えている。広報企画やエンタメ番組との連携を通じて、知財がより身近なものとして浸透し始めていることがうかがえる。

早押し解答機(意匠第1位)

意匠部門の第1位となった「早押し解答機」は、教育系動画メディア「QuizKnock」と特許庁がコラボレーションした広報企画から生まれた製品である。企画内で現役審査官が登録の可能性を指摘したことをきっかけに、baton(東京都品川区)が意匠登録を出願。2024年9月に正式登録された。

早押し解答機(出典:意匠登録第1779915号)左:シャッターを開けた使用状態、右:シャッターを閉じた状態の参考斜視図(※画像クリックで拡大)

教室での授業利用を想定して考案された本機器は、教育現場への知財の普及という観点でも注目された事例である。

体モノマネTシャツ(特許第5位)

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