コラム

人事 / 労務管理 / RPAの活用

RPAの活用【第1回】働き方改革推進の鍵となる「RPA」

2018年03月26日

■「RPA」とはいったい何なのか?

 AI、ビックデータ、ロボット...... 最近、紙面やテレビ、インターネットなどさまざまな媒体で毎日のように見聞きする言葉だ。このような最近の動きを「第四次産業革命」という人もいる。それだけ情報技術が急速に進展しているのだろう。

 中でもわたしたちにいちばんなじみがあるのは「ロボット」ではなかろうか。店頭や展示場会場などで目にする人型ロボットなどを思い浮かべた人もいるかもしれない。

 ところが、最近よく話題に挙がるロボットは、このような人型ロボットでも、生産現場で普及している生産用ロボットでもない、オフィスで働くソフトウエアロボットなのだ。このソフトウエアロボットが人間に代わって定型業務を代行することを「RPA(Robotic Process Automation)」と呼んでいる。人間がPCやシステムを利用する操作をソフトウエアロボットが覚えて再現する、対象範囲を広げたマクロのようなものといった方がわかりやすいかもしれない。

■今RPAが注目されている2つの理由

 RPAが現在の日本で注目されるのには理由がある。1つは、日本で加速度的に進む少子高齢化に伴う「労働人口の急激な減少」だ。

 総務省の発表によれば、2030年には、2013年に比べ約1000万人、比率にして約15%もの労働人口が減少するとされている。必要な人材を必要なだけ採用することが、もはや困難な時代に突入したといわざるを得ない。そのため、企業側も労働力が十分に確保できない前提での成長戦略の立案が必要となり、その有効な対策として注目されているのが「人間以外の労働力」が活用できるRPAというわけだ。

20180326_jinkousuii.jpg

 2つ目の理由は、政府が強力に推進している「働き方改革」だ。政府は企業に対し、「長時間勤務」を抑制し、「ワークライフバランス」を実現するように強く求めている。

 しかし労働人口が急速に減少する中、労働者1人当たりの実働時間の削減は、企業にとって非常に厳しい要求となっている。政府は、対策として「女性」や「外国人」の活用を促進して労働力を確保することを推奨しているが、それだけでは不十分と考える企業も多い。そのため、働き方改革の実現に向けて、「人間以外の労働力」の活用が必要不可欠と考え、RPAへの注目が集まっているのだろう。

 また、働き方改革とRPAの関連では、もう1つ興味深いデータがある。当社で行った全国の人事部門または働き方改革にかかわる部門に所属している男女計500人に対する調査結果だ。「働き方改革を実際に推進している部署は?」という質問には「人事部門」の回答がもっとも多く、「働き方改革が進んでいない理由は?」には「通常業務が忙しく考案する時間がない」の回答がもっとも多かったという結果が出ている。

20180326_hatarakikata1.jpg
20180326_hatarakikata2.jpg

 つまり、働き方改革推進の中心部署であるはずの人事部が、多忙で働き方改革が思うように進んでいないと認識している人が多いということだ。このことから、どの企業においても働き方改革を進めていくためには、人事部が働き方改革の推進策を検討する時間を捻出でき、施策が実行できる環境を整える必要があると考えられる。だからこそ、人事部の負荷を軽減する方策としてRPAの活用を検討している企業が急増しているのだ。

■RPAで何ができるのか?

 RPAの説明でよく使われるフレーズに、「ソフトウエアロボットに定型業務を代行させる」というものがある。ただ、いまひとつイメージできないと感じている人も多いだろう。イメージを具体化するためにRPAで対応できる業務、できない業務を整理してみたい。

20180326_rpahyou.png

 このように、ほとんどの定型的な業務はRPAで対応可能ということがわかる。
 上記の組み合わせで想定できる業務は次の通りだ。

(1)役員への分析資料作成、送付業務
 毎月月初に先月末のデータを業務システムから読み取り、エクセルの定型フォームに入力し集計・グラフ化。該当業務担当役員を判断して作成した資料をメールで送信する
(2)新卒、中途採用者情報の登録
 入社前にメールで送られてきた社員情報が記入された指定フォームを読み取り、人事システムのデータベースに社員情報を登録する
(3)交通費精算申請の確認、登録業務
 各社員からメール、もしくは申請システムで送られてくる交通費申請を読み取り、ルート検索サイトを参照して、適正ルートと交通費を確認。記入間違いがあれば修正し、業務システムに登録する

 いずれも重要ではあるが、非常に面倒で手がかかる業務だ。これらの業務のために忙殺されている方も多いのではなかろうか。この煩わしい業務から解放されるというだけで、RPAへの期待が高まるだろう。

 次回はRPAを活用した事例に基づき、その導入効果を検証してみたい。

秋葉 尊
​​MENU