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コラム

人事 / 人材育成 / タレントマネジメント

企業力を高めるための「タレントマネジメント」【第3回】タレントマネジメントを有効に活用するために押さえておきたい4つのポイント(2)

2018年09月06日

 今回は前回に引き続き、タレントマネジメントを導入するにあたって留意すべきポイント を紹介します。

■従来からのやり方を変えられるか

 2つ目のポイントは「従来からのやり方を変えられるか」です。タレントマネジメントに限った話ではありませんが、一部のエンドユーザーが新しい仕組みを導入しても従来のやり方を継続しようとするケースがあります。理由としては従来からのやり方に慣れていることと、現状に問題を感じていないことが多く挙げられています。

 また、意外と以下のような例が多いので、あらかじめエンドユーザーの理解を得ておくことが肝要です。

■人材情報を活用しようとしない

・人材情報の検索・参照が簡単にできるようになっても、「人材情報は自分の頭に入っている」といって活用しない。
・適性のある後継者候補を全社から選抜し、計画的に育成する仕組みができても、「後継者は自分が育てた部下に任せたい」といって活用しない。
・会社(人事部)としては部門を超えた人材活用を促したいと考え、人材情報を活用できる仕組みを作っても、「優秀な人材は自分の組織に置いておきたい」といって協力しない。

 これらはよくあるケースで、いずれも事業責任者や部門長レベルの方に多く見られます。こうなると折角導入したタレントマネジメントの仕組みも「宝の持ち腐れ」になってしまいます。そのため、プロジェクト開始前にタレントマネジメントを活用してほしい役職や部門の方々と会社としての導入目的や効果について十分に議論して、各人が納得した上で導入するように調整しておくことが重要です。

■日本企業に合わないから使わない

 タレントマネジメントは日本企業に合わない、という先入観を持っている方がたまにいます。従来から日本企業の人事制度は「職能型」なので、欧米企業の「職務型」を基本としたタレントマネジメントは日本企業では使えないという理由からです。これは非常に極端な解釈だと思われます。

 確かに、タレントマネジメントの代表的な機能である後継者計画については、「ジョブ・ディスクリプション(以下、「JD」)(※)」があった方が活用しやすいため、タレントマネジメントの導入に合わせてJDを作成する企業もあります。では、JDがないと後継者計画の機能は活用できないかといえば、それは「No」です。JDがあれば、対象のポジションに適性のある社員を自動的に抽出できるなど、利便性は向上します。しかし、対象となるポジションの後継者候補に、ふさわしい条件や特定のテーマ(幹部候補等)ごとにプールして、長期的に育成したい人材に求める条件を登録して運用すれば、目的を達成することはできます。

 後継者候補を関係者で協議・決定して登録する方法でもよく、要は後継者を計画的に育成することが重要なのです。そのような運用を続けた結果、職務定義があった方がやはりよいとの結論になれば、それから作成してもよいのではないでしょうか。

※職務記述書。企業においてあるポジションに関する職務内容を詳細に記した文書のこと。欧米では一般的に使用される。

 次回は、「タレントマネジメントを有効に活用するために押さえおきたい4つのポイント(3)」を解説します。

秋葉 尊
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