2023年6月23日に公布・施行された「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」。この法律は、性的マイノリティへの国民の理解を深め、すべての人の基本的人権が尊重される社会の実現を目指す理念法である。
この法律には、差別を禁止する規定や罰則は含まれていない。しかし、国や地方公共団体、事業者、教育機関などに対し、正しい知識の普及啓発、研修の実施、相談体制の整備といった取り組みを進める努力義務を課している。
政府は、基本方針の策定、施策実施状況の公表、そして3年ごとの計画見直しを通じて、継続的に施策を推進する役割を担う。
この法律の施行により、学校や職場、地域社会では、当事者が安心して暮らせる環境づくりが一層求められている。また、性的マイノリティの支援者である「アライ」の役割も社会的に広く認知されつつある。本法は、多様性を尊重し、包摂的な社会の実現を後押しするための法的基盤となる。
参考：内閣府「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」
