「年収の壁」対策を発表、最大50万円支給で手取り収入の減少防ぐ 何が変わる?

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2023年09月28日
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厚生労働省は9月27日、年収が一定額(106万円または130万円)を超えると社会保険料の支払いが生じ手取り収入が減る、いわゆる「年収の壁」対策の支援強化パッケージを発表した。

地域別最低賃金が10月より改訂され、全国平均で時給1000円を超える中、岸田総理大臣は9月25日、「まずは社会保険加入のラインとなる106万円の壁を乗り越えるための支援を講じ、手取り収入が減収しないよう、新たな手当を新設する」と宣言した。

年収の壁対策、政府の支援は

今回、厚生労働省が発表した「年収の壁・支援パッケージ」は以下の通り。

106万円の壁対策、企業向け手当と助成金の新設

配偶者の扶養に入りパート・アルバイトで働く短時間雇用の従業員が、厚生年金や健康保険に加入する際に、手取り収入を減らさないよう取り組む企業に対し支援を行う。具体的には以下の通り。

(1)社会保険適用促進手当(新設)

従業員が社会保険料を徴収された結果、手取り収入が減ってしまわないよう、事業主は給与・賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給できる。

この手当を支給した場合、本人の保険料相当額を上限として最大2年間、保険料算定の基礎になる標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮しない。

社会保険適用促進手当のイメージ
社会保険適用促進手当のイメージ

なお、同手当に加え、標準月額報酬や標準賞与額の一定割合を追加で支給した場合は、後述するキャリアアップ助成金の対象となり得る。

(2)キャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」(拡充・コース新設)

非正規雇用労働者の処遇改善を行った企業に対する「キャリアアップ助成金」に、労働者が社会保険適用となったときの処遇改善に関するコースを拡充・新設した。

労働者本人負担分の保険料相当額を手当として支給し、賃上げなどの対策を行い、従業員が年収の壁を意識せずに働ける環境づくりを行う企業をあと押しする。

具体的には、短時間労働者の賃金が上がり、被用者保険(企業、協会けんぽなどの健康保険や共済組合など)の適用となる場合、労働者1人当たり最大50万円の助成を行う。最大3年で計画的に取り組むケースも含む。助成対象となる取り組みは、以下の通り。

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