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前回「成果が見えにくい総務の仕事、どう評価する? モチベーションがアップする目標設定のコツ」では、総務の評価における具体的な目標設定について解説しました。今回は、マネジャー層の評価者としての姿勢や総務としてのキャリアアップに必要なスキルについて、株式会社リンクアンドモチベーションで企業の従業員エンゲージメント向上を支援する丸山拓人さんにお話をうかがいました。
日頃の信頼関係をベースに「I」メッセージとともに評価

組織人事コンサルタント
丸山 拓人さん
神戸大学卒業後、新卒で株式会社リンクアンドモチベーションに入社。以来一貫して中小・成長ベンチャー企業向けコンサルティングに従事。経営理念の策定や浸透、育成体系構築、幹部育成、人事制度設計などを多岐にわたるテーマで支援。現在は、当該部門のリーダーを務める。
目標設定や評価の場面において、マネジャー層に期待される役割は非常に重要だ。丸山さんは、人が感情の生き物である以上、絶対的に正しい評価というものは存在せず、あるのは納得できる評価か否かであると指摘する。その納得感を醸成するのは、日頃の信頼関係しかない。自分のことを理解しているとは思えない上長からの評価に、懐疑的になるのは当然だ。普段からコミュニケーションを取っていること、そして面談の際にはアクティブリスニングで、まずは傾聴する姿勢が求められる。
「特に気を付けたいのが、評価のフィードバックです。いちばんモチベーションを下げるのは、『会議でこう決まった』の一言で面談を済ませること。そこに上長の意思が感じられな いと、信頼関係を大きく損ないます。たとえば、『この人にはもっとここまで求めたいという全体の意見があり、自分もなるほどと思ったのでこういう評価に変えた』というように、あくまでも私(I)を主体としたメッセージとして発信してください」
良くない評価であっても、自分の言葉で期待とともに伝えることが、信頼関係を築くためには大切なのだ。こうした評価者の伝えるスキルを向上させるために有効なのが、ロールプレーイングで評価し合う研修だという。
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