長時間通勤が離職要因、出社と在宅勤務の両立で定着率を上げる 人材サービスのランスタッド

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人材サービスのランスタッド(東京都千代田区)は9月6日、在宅勤務のガイドラインを改訂し、出社と在宅勤務のハイブリッドの働き方を基本とすることを社内に周知したと発表した。同社では、柔軟な働き方が従業員の定着率によい影響を与えるという調査結果を発表しており、柔軟な働き方の促進を重要視している。
在宅勤務で有事のBCP確保、スペースの最適化などを求める
全コーポレート社員を対象(特例で認められた完全在宅勤務者とオンサイト正社員を除く)とし、在宅勤務では以下を行うよう求めている。
- 多様性のある働き方の推進により、従業員の自律を促し効率的かつ効果的に業務を遂行
- 有事の際のBCP(事業継続計画)の確保
- オフィススペースの最適化
- セキュリティに関する規則の順守
同社は世界39の国と地域に拠点を構える総合人材サービス企業だが、D&Iを推進するにあたり、人材の多様性を確保するには、働き方にも多様性が必要だと判断。管理部門など一部社員のみ対象だった在宅勤務制度を、2020年に全コーポレート社員対象に拡大していた。
柔軟な働き方はワークライフバランスを促進し、エンプロイヤーブランドを高め、従業員の定着率にもよい影響を与えることが、近年の同社のリサーチでも示されたという。
日本の労働者、長時間通勤が離職要因に リモートワーク容認がエンゲージメント向上に寄与
同社では「日本の働き手は、職場環境と就業場所を重視している」と分析する。働きたいと思われる企業の魅力・価値を検証した同社のレポート「エンプロイヤー・ブランド・リサーチ2023」で、日本の働き手が雇用主に求めることトップ5に、「快適な職場環境」と「就業場所の利便性」がランクインしたことが明らかになった。特に就業場所については、16%が転職理由として、通勤時間が長すぎることを挙げている。
また、部分的にであっても、リモートで働くという選択の自由を与えられている従業員は、自分の雇用主はワークライフバランスを支援してくれていると、肯定的に評価する傾向が強いという。同社は「従業員のエンゲージメントを高め、離職を防ぐためには、リモートワークの活用により、ワークライフバランスに対する満足度を高めることが効果的に作用する」と分析する。
同社が実施した別の調査では、日本でも48%が「ワークライフバランスに悪影響を与えると思われる仕事を引き受けない」、38%が「自分の生活を楽しむ妨げになっているのであれば仕事を辞めたい」と考えていることがデータで示されている。
同発表の詳細はこちらから確認できる。
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