事業とサステナブルを両立させる ビジネス視点で考え、SDGsを経営に実装しよう

【事例】素材メーカーが点火するSDGs注目される存在感 —— 雪ヶ谷化学工業株式会社

月刊総務 編集部
最終更新日:
2023年02月24日
gs230224100

化粧品、産業、医療、スポーツなどさまざまなシーンで利用されるスポンジを製造する雪ヶ谷化学工業株式会社。SDGsへの取り組みを本格化させたのは2019年だが、短期間でフェアトレードを軸とする新たな規範の創出を成功させ、注目されている。これまでの軌跡や社内の意識を聞いた。

取材・文◎武田 洋子

素材の開発と認証マークの制作

雪ヶ谷化学工業株式会社 代表取締役社長 坂本 昇さん
雪ヶ谷化学工業株式会社
代表取締役社長
坂本 昇さん

雪ヶ谷化学工業株式会社は、天然ゴムを用いた産業用素材メーカーとして1951年に創業した。1976年に同社が開発した合成ゴムスポンジは、その優れたユーザビリティで化粧用具、自動車部品、建材、音響機器など多方面で使用され、今や世界的トップシェア企業として成功を収めている。しかし2019年、同社社長の坂本昇さんは、脱石油に対する社会のニーズが高まりつつあるのを感じていた。

「国連がSDGsゴールを決めたときから、世界的な潮流が来るだろうと思っていました。では何をするかと考えていたときに、『事業自体にSDGsを乗せるべきである』という講演を聞いて、腹落ちしたのです」

メーカーが主力である自社製品を見直すというのは、相当に勇気がいることに思える。しかし坂本さんは、3か月後には社内で話をし、石油由来の原料に頼らない新素材の開発に取り掛かった。そして、合成ゴムに天然ゴムを混ぜた、新しい製品をリリースしたのだ。

「油に対する耐性が異なる2つを混ぜるというのは、この業界に長くいるほど思いつかないものなのです。当社は、石油由来原料を従来のものから10〜90%削減できる素材の提供が可能になりました。あとは取引先が何%の削減を目指すかです。共感して採用する企業も増えていますが、多くの企業は残念ながらまだコスト最優先なのが現実です」

そもそも石油というのは、加工がしやすい大変優秀な素材だ。そこから脱却するには当然ながら痛みを伴う。問題は、そのコストを誰が負担するのかだ。製品の提供側だけにコスト増を負わせることは現実的ではなく、たとえば化粧用スポンジならコスメ業界全体で適正価格に値上げし、さらに消費者もそれを受容しなければならない。消費行動まで巻き込み社会全体で分担していくべき課題なのだ。

続きは「月刊総務プレミアム」をご契約の会員様のみお読みいただけます。

  • ・付加価値の高い有料記事が読み放題
  • ・当メディア主催の総務実務の勉強会や交流会などのイベントにご優待
  • ・「月刊総務デジタルマガジン」で本誌「月刊総務」も読み放題
  • ・本誌「月刊総務」も毎月1冊、ご登録いただいたご住所にお届け
  • ・ノウハウ習得・スキルアップが可能なeラーニングコンテンツも割引価格でご利用可能に

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

g-soumu-editors-portrait-webp


月刊総務 編集部

パンデミック、働き方の変化、情報技術への対応など、今、総務部門には戦略的な視点が求められています。「月刊総務オンライン」は、そんな総務部門の方々に向けて、実務情報や組織運営に役立つ情報の提供を中心にさまざまなサービスを展開するプラットフォームです。


関連記事

  • 大切なのは「自社ならでは」のオフィスづくり 社員の「心」を解析すると幸せな働き方が見えてくる PR
  • 「働きがいのある会社」トップ企業のハイブリッドワークの形 戦略総務を実現できるデバイスとは? PR
  • コスト削減だけじゃない! 働き方が変わり、コミュニケーションも生まれる「照明」のすごい効果 PR

特別企画、サービス