事業とサステナブルを両立させる ビジネス視点で考え、SDGsを経営に実装しよう

求められるSXの取り組み 2023年が転換点。SDGsを経営に実装しよう

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2023年02月22日
gs230222100-2

周知のように、持続可能な開発目標(SDGs)のゴールは2030年に設定されている。2020年からは「行動の10年」として取り組みの加速が求められる中、2023年に実践すべきはサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)だ。

取材・文◎宮本 優子

経済産業省が主導するSXの実現

一般社団法人 サステナビリティコミュニケーション協会 代表理事 安藤 光展さん
一般社団法人 サステナビリティコミュニケーション協会 代表理事
安藤 光展さん

サステナビリティ・コンサルタント。「日本のサステナビリティをアップデートする」をミッションとし、上場企業を中心に情報開示・戦略策定・ウェブ/報告書制作支援などのアドバイザリーを行う。『未来ビジネス図解 SX&SDGs』(エムディエヌコーポレーション)、『創発型責任経営』(日本経済新聞出版・共著)ほか著書多数。

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを「同期化」させていくことであり、そのために必要な経営・事業変革(トランスフォーメーション)を指す。「同期化」とは、社会の持続可能性に資する長期的な価値提供を行うことを通じて、社会の持続可能性の向上をはかるとともに、自社の長期的かつ持続的に成長原資を生み出す力(稼ぐ力)の向上とさらなる価値創出へとつなげていくことを意味している。

経済産業省は、2021年5月に「サステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会(SX研究会)」を立ち上げ、SXの具体化に向けた検討を進めるとともに、同年11月に立ち上げた「価値協創ガイダンスの改訂に向けたワーキング・グループ」において、SX実現のためのフレームワークとしての価値協創ガイダンスの改訂に向けた検討に注力。8回にわたる研究会の報告書として、2022年8月に「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」を取りまとめ、「価値協創ガイダンス2.0」を策定した。

「日本のサステナビリティをアップデートする」ことをミッションとして企業・団体のサステナビリティ推進のコンサルティングに従事している安藤光展さんは、SXのポイントは「X」すなわち、トランスフォーメーションにあると説明する。

「日本ではSDGs推進といえば、17のゴールにばかり目が向きがちですが、そもそも2015年の国連総会で採択された『持続可能な開発のための2030アジェンダ』では『Transforming our world(われわれの世界を変革する)』とうたっています。しかしながら、目標期限まで残り7年となった現状を見ると、肝心な『変革』までには程遠いといわざるを得ません。そこにあらためてスポットを当てたSXとは、業務改善というよりも、事業構造自体の変化という意味合いが強いものです。そして、トランスフォームするものは従業員のマインド、組織、ビジネスモデルの3つ。SXは企業がサステナビリティ経営を実現させるために、社会動向を考慮した組織およびビジネスモデルの構造改革を行い、企業価値を最大化させる戦略です」

本誌が実施したアンケートでは、SXについて「よく理解している」と回答したのは1割以下。「なんとなく理解している」を合わせても4割程度という結果となり、SXの認知度はまだ低い状況であることがわかった(図表1)。

図表1:SXとは何か知っているか(n=116)

SXとは何か知っているか
出所:『月刊総務』「SDGsに関する調査」(2022年12月)(※画像クリックで拡大)

その一方で、7割以上の人が「自社もSXに取り組むべきだ」と思っている点にも着目したい(図表2)。

図表2:自社もSXに取り組むべきだと思うか(n=116)

自社もSXに取り組むべきだと思うか
出所:『月刊総務』「SDGsに関する調査」(2022年12月)(※画像クリックで拡大)

「行動の10年」にどう取り組むか

続きは「月刊総務プレミアム」会員さまのみ、お読みいただけます。

  • ・実務や法改正の解説など、情報価値の高いWEB限定の有料記事が読み放題
  • ・デジタルマガジンになった『月刊総務』本誌が読み放題
  • ・『月刊総務』本誌を毎月の発売日にお届け
  • ・当メディアが主催する総務の勉強会や交流会などのイベントにご優待
  • ・スキルアップに最適なeラーニングコンテンツが割引価格に

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

プロフィール

logo@4x


月刊総務オンライン編集部

「月刊総務オンライン」では、総務部門の方々に向けて、実務情報や組織運営に役立つニュース、コラムなどを平日毎日発信しています。また、「総務のマニュアル」「総務の引き出し」といった有料記事や本誌『月刊総務』のデジタル版「月刊総務デジタルマガジン」が読み放題のサービス「月刊総務プレミアム」を提供しています。


関連記事

  • レンタカーの安全運転管理も可能! コストを抑え、車両管理にかかわる日常業務の負担を減らす方法 PR
  • 食で社員を応援! 総務が値段を決められる自由さがポイント。豊富なアイテムがそろうミニコンビニ PR
  • 何となくで選んでない? 実は重要なオフィスの「照明」。空間に合った明るさや色味が与える効果 PR

特別企画、サービス