上司の「励ましの一言」が部下を追い詰める? 調査で判明、無自覚な声掛けが職場のリスクに
月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2025年10月21日
一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(東京都港区、RCIJ)は10月20日、職場における上司の発言・言動がもたらすハラスメントリスクに関する意識調査の結果を公表した。多くの上司が「良かれと思って」かけていた定番フレーズが、実は部下の心理的安全性を下げ、生産性の低下や離職、さらには企業の評判毀損といった経営リスクにもつながる恐れがあるという。
なぜ「励ましの一言」がリスクになるのか? 善意の声掛けに潜む無意識バイアス
上司が部下を励ますつもりでかけた言葉が、実は職場のリスクにつながることもある。今回の調査で明らかになったのは、「善意」の声掛けと実際の受け止め方との大きなズレだった。
RCIJの調査は、危機管理心理学の観点から「無意識バイアス」に焦点を当てたもの。無意識バイアスとは、本人に悪意がなくても、経験や慣習に基づいて判断や発言に偏りが生じてしまう心理的な傾向を指す。
上司と部下の受け止め方にどれほどギャップがあるのか?
調査対象は、全国の企業・団体に勤める20歳代から60歳代の男女289人。管理職には「職場での声掛けの使用頻度」を、非管理職には「上司からそのような声掛けをされた際の印象」を尋ねた。調査結果からは、上司が鼓舞や方向付けのつもりで使っていた定番フレーズが、部下にとっては逆に不快感や萎縮を招いていた実態が明らかになった。
善意での声掛けが、結果として部下の心理的安全性を損ない、組織の生産性や定着率に負の影響を与える可能性がある。実際に、管理職の54.3%は「自分の言葉で部下を傷つけたことはない」と回答したのに対し、非管理職の60.7%は「上司の『悪意のない一言』で傷ついた経験がある」と答えている。
具体的に、どんな声掛けが「逆効果」だったのか?
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。
アクセスランキング
ダウンロード資料、アイテム
特別企画、サービス
-
【編集部厳選】総務1年生にオススメしたいコンテンツ20本
『月刊総務』編集部が、総務1年生やこの春久々に総務業務を担当する方にオススメのコンテンツを厳選。この機会に、総務実務の基本はもちろん、ビジネススキルや総務の考え方について学んでみませんか? -
総務のマニュアル
総務・バックオフィスの実務を実践的にサポートする「総務のマニュアル」シリーズ。ビジネストレンドを押さえた内容で、いま総務が知っておきたいポイントを具体的に解説していきます。 -
多様な働き方に対応する 社内コミュニケーション術
リモートワーク、ABWなど働き方の多様化がさらに広がっています。対面のコミュニケーションが減っている中においても、コミュニケーションを活性化するために、どうしていくべきでしょうか。 -
テレワークを実現するペーパーレス化と文書管理のポイント
ハイブリッドワークの需要が高まったものの、総務・経理などの管理部門では、請求書や契約書など書類のデジタル化に対応できず、出社を余儀なくされた方も多いのではないでしょうか。 -
総務辞典
総務辞典とは、どなたでもご利用いただける、総務業務に関する一般知識、関連法令や実務ノウハウなど総務に関する用語辞典です。 -
無料オンラインセミナーのご案内
月刊総務が開く、無料オンラインセミナーの予定はこちらからご確認ください。さまざまな企業と共催し、より専門的な知識を幅広いテーマで発信。総務の皆様の情報収集にお役立てください。 -
『月刊総務』調査
『月刊総務』では、不定期にアンケート調査を実施し、その結果を公開しています。全国の総務パーソンがどのように業務に対応しているのか、何を感じているのか、総務の現状を確認してみましょう。 -
YouTube 月刊総務チャンネル
『月刊総務』公式YouTubeチャンネルです! 「働き方」「戦略総務」などのテーマについて、数分で気軽にキャッチできる情報を発信していきます。ぜひ、チャンネル登録をお願いします! -
メンタル不調者が増える6月前にチェックしておきたい10本
ゴールデンウイークが明け、退職代行サービスの利用者が急増しているようです。新卒・若手社員の早期離職が深刻化し、五(六)月病が話題になっています。気象病と仕事のストレスが重なる6月に向け、メンタルヘルス対策を紹介します。 -
業務効率化&コスト削減 購買プラットフォーム
オフィス用品に関する困りごとを解決し、業務効率化とコスト削減を実現いたします。Kobuyは、一貫堂が提携するパートナーサプライヤに加え、お客様ご希望のサプライヤ商品・サービスを一元管理できるオフィス用品一括購買システムです。