職場のトイレは心身を整える「居場所」 LIXIL×横浜市大がウェルビーイングとの関連性を調査
月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2025年11月11日
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LIXIL(東京都品川区)は11月10日、横浜市立大学と共同で実施した「ウェルビーイングと職場のトイレ環境の関係」に関するウェブ調査の結果を発表した。
この調査では、トイレが単なる生活インフラではなく、働く人のメンタルヘルスやエンゲージメント、ひいては生活全体の幸福感にまで影響を及ぼすことが、データから明らかになった。さらに、満足度を左右する要因には男女で明確な違いがあり、今後の職場環境づくりには「一律対応」ではなく、「配慮の設計」が求められることも明らかになった。
トイレ満足度が仕事と生活に影響
今回の調査では、統計的手法である変量効果モデル※(Random Effects Model)を用いて、職場のトイレに対する満足度が「仕事の満足度」や「生活全体の満足度(Subjective Well-being:SWB)」に与える影響を分析した。
※変量効果モデルとは
回答者の性別や年齢など、個人の属性によるばらつきを考慮しつつ、全体としての傾向を抽出する統計モデル。「個人差をノイズとして扱わず、分析に取り込む」ことで、より現実的で実践的な知見を導き出せるのが特徴。
この分析により、以下のような結果が得られた。
- 職場のトイレに対する満足度は、仕事の満足度に有意な正の影響を与える。
- さらに、仕事の満足度は生活全体の満足度(SWB)に寄与する。
この「トイレ → 仕事満足度」の影響には男女差が見られず、満足度の形成がその後の働き方に好影響を与える構造が示された。
トイレ満足度の鍵は「男女で異なる構造的ニーズ」への対応
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