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情報やサービスが多様化される今、さまざまな事業領域とのシナジーを生むために企業間でのM&Aが多用され、その件数は急増しています。このような時代において、総務をはじめとする会社のバックオフィススタッフが、自社のM&Aにかかわる機会はますます増えてくるでしょう。本稿では、M&Aの各スキームに関する一般的な知識だけではなく、総務・経理・人事担当者がM&Aにかかわる際、どんなことを考え、どんな作業を行わなくてはならないかという、普段はあまり焦点を当てられることのない裏側について解説します。まず、M&Aの種類について解説した上で、M&Aにおけるバックオフィスの仕事について見ていきます。
M&Aの種類と実態
M&Aという用語を耳にしたことはあるかと思いますが、具体的にどのようなものかイメージできない方も多いのではないでしょうか。M&Aとは、「Merger(合併)And Acquisition(買収)」の略であり、企業の合併や買収のことを意味します。M&Aと一言でいってもその取り引きの法的類型はさまざまで、株式譲渡や第三者割当によって株式を取得するM&A、事業譲渡によるM&A、合併、会社分割、株式交換や株式移転など、会社法上組織再編と呼ばれるM&Aもあります。実際には、会社が一部の事業を会社分割の方法で新しい子会社に切り出し、その子会社の株式をほかの会社に譲渡するなど、複数のスキームを組み合わせてM&Aが実行される場合もあり、M&Aの方法は多岐にわたります。
本稿では、M&Aの主なスキームについて一般的なご説明をした上で、バックオフィス業務を行うみなさまがM&Aに付随して必要となるさまざまな業務について触れていきます。
さて、まずはM&Aの実情を見てみましょう。ニュースで目にするM&Aは、大企業同士のものが多いですが、実際は中小企業の間でも盛んに行われており、毎年増加傾向にあります。
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