激変の時代を生き抜く「アンラーニング」の取り入れ方

その成功体験が成長の邪魔になる? 変化の時代に求められる「引き算」の学び、アンラーニングとは

株式会社日本能率協会コンサルティング 組織・人事コンサルティング事業本部 チーフ・コンサルタント 有馬 祥子
最終更新日:
2026年08月17日

現代はこれまで以上に先の見通しが難しい、変化の激しい時代に入っています。技術革新は加速度的に進み、AIの活用領域も急速に広がり、仕事に求められるスキルや知識は絶えず更新され続けています。こうした環境下では、これまでのような新しい知識やスキルを足す学びだけでは不十分であり、これまで前提としてきた考え方や習慣そのものを見直すことが求められます。
一方で、企業が抱える課題として、「研修は実施しているが、現場での変化・効果に十分つながっていない」「新しいスキルやツールを学んでも、既存業務に追われて活用されない」「忙しくて余裕がなく、学びに対して消極的な人が多い」といった声もよく耳にします。総務や人事の担当者、経営層の多くが、変化の激しい時代の学びに課題を感じています。 近年注目されている「アンラーニング(Unlearning)」は、そのための学びの方法論です。本連載では「アンラーニング」をテーマに取り上げます。第1回となる今回は、その基本的な考え方と必要性について整理します。

アンラーニングとは何か? リスキリング・リカレントとの違い

アンラーニングは「学習棄却」や「学びほぐし」と訳されることがあります。すでに身に付けた知識やスキルのうち、環境変化に伴って有効性を失ったものを見直し、必要に応じて手放しながら、新しい知識やスキルを取り入れていくプロセスを指します。重要なのは、過去を否定して捨てるのではなく、「状況に応じて使い分けるために、いったん横に置いておく」という点にあります。

現代のビジネスシーンには、「学び」に関するキーワードがあふれていて、アンラーニングと混同されがちな言葉として、リスキリングやリカレントがあります。この違いを整理しておきましょう。

図表:アンラーニング・リスキリング・リカレント教育の違い

アンラーニング 引き算
  • 古い知識や固定観念を手放し、時代に合った方法を取り入れること
  • 新しい変化やルールへ柔軟に適応するために行う
リスキリング 足し算
  • DXなど、今後必要となるスキルを新しく習得すること
  • 現在や近い将来の業務に直結する、実践的なスキルの獲得を目指す
リカレント 行き来
  • 仕事と学びを交互に繰り返すこと(例:働きながら大学に通う)
  • 長いキャリアを見据え、教養や専門性を深め、選択肢を広げるために行う

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プロフィール

株式会社日本能率協会コンサルティング 組織・人事コンサルティング事業本部 チーフ・コンサルタント
有馬 祥子

ITベンダー、コンサルティング会社を経て、株式会社日本能率協会コンサルティングに入社。約20年のコンサルタント経験を通じて、人材育成・組織開発をはじめとするプロジェクトに多数従事。ワークショップを取り入れたプログラムを通じて、「働く人がこの会社で、この仲間と一緒に働けて良かった!と思える組織づくり」を大切にしている。認定ワークショップデザイナー・マスター、国家資格キャリアコンサルタント、東証プライム企業社外取締役。

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