「それ、古いから変えて」は逆効果 現場の反発を防ぎ「アンラーニング」を推進する3ステップ
アクセスランキング
第1回では、変化の激しい現代ビジネスの世界において、新しい知識を詰め込む「足し算の学び(リスキリング)」だけでなく、古い知識や成功体験を手放す「引き算の学び(アンラーニング)」も不可欠である理由を解説しました。
読者のみなさんの中には「さっそくわが社でもアンラーニングを推進しよう」と意気込まれている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、アンラーニングという言葉をいきなり使うと、「自分のこれまでの努力や実績を否定された」という心理的抵抗を生む可能性があります。「アンラーニング=これまでの知識・経験を全て捨てる」という誤解が、現場の混乱を招く原因になりかねません。
大切なのは、従業員自身が「今のやり方を変えた方が、自分にとっても組織にとってもプラスになる」と、その必要性に自発的に気付くことです。そこで今回は、現場の反発を招かず、アンラーニングを自然と促すためのステップについて解説します。
いかにしてアンラーニングの必要性に気付くか
他人に「あなたのやり方は古いから変えなさい」といわれて、素直に受け入れられる人は少ないでしょう。アンラーニングの第一歩はその必要性に気付くことです。そのためには、自分自身を客観的に振り返る「内省(リフレクション)」が求められます。しかし、日々の業務に追われる中で、自分の固定観念に気付くことは極めて困難です。
青山学院大学の松尾睦教授の研究によると、「アンラーニングのきっかけとしては、昇進・部門異動・問題の発生・家庭の事情など『状況の変化』が最も多く71.3%、次に上司・同僚・部下・取引先などの『他者の行動』が18.9%、そして『研修・勉強会・書籍等の影響』が9.8%」(※)となっています。
つまり、人は「これまでのやり方が通用しない、今までと違う環境」に直面したときに初めて、深い内省が促されるのです。人事・教育担当を兼ねることも多い総務部門としては「さあ、アンラーニングしましょう」と声高に叫ぶのではなく、従業員が自らの思い込みに気付いたときにアンラーニングを進められるような場を提供することが重要な役割となります。
※ 出典:松尾睦『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』P36(同文舘出版)
アンラーニング推進の「3ステップモデル」
では実際に、組織でアンラーニングをどのように進めればよいのでしょうか。現場で取り入れやすいよう、本稿では「3ステップモデル」として整理しました。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。