「自分の仕事には関係ない」って思っていませんか? 総務が最低限知っておくべき「廃棄物」の基礎
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みなさんは「廃棄物」という言葉にどのような印象をお持ちでしょうか? おそらく、「総務担当者である自分にはかかわりの少ない世界だ」「規制内容や罰則を具体的には知らない」「有害物や危険物という先入観を持っている」「化学や工学の知識がないと理解できない分野だ」といった印象を持つ方が多いかと思います。しかし、いずれの印象も事実に基づいたものではなく、いわば「食わず嫌い」のような、もったいない先入観といわせていただきます。
まず、「総務担当者である自分にはかかわりの少ない世界だ」について。確かに、製造現場と比べると、総務が廃棄物を発生させる量は少ないと思います。しかしながら、量は少ないとはいえ、総務業務を進める上ではいくばくかの廃棄物は必ず発生しますし、企業全体の廃棄物処理費用の捻出から、廃棄物の分別ルールの決定および周知など、廃棄物処理について総務が担っている役割は決して小さいものではありません。
近年、企業にとっては、地球温暖化防止対策など環境面での取り組みが年々重視されるようになりましたが、廃棄物問題もその重要なテーマの一つです。先述したように、「環境」や「廃棄物」と聞くと、「理系の世界の難しい話だ」と身構えてしまう方が多いかもしれません。文系を自認する私自身もそのように思っていましたが、公務員として働いていたときにいや応なく産業廃棄物の規制担当者を命じられ、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃棄物処理法」)」の諸規制を独学していくうちに、「契約書その他の法定記載事項や書類の保存などはむしろ文系の人間こそ力を発揮できる、いや、力を発揮すべき分野ではないか」と考え直すに至りました。
本連載は、総務初心者の方の廃棄物に対する食わず嫌いをまず解消し、自信を持って仕事に取り組んでいただくこと、最終的には企業全体の廃棄物に関する法的リスクをなくしていくことを目的としています。総務担当者として、企業として最低限これだけは行っていなければならない、必須の実務をコンパクトに解説していきますので、全3回の連載をつぶさにお読みいただけると幸いです。
「廃棄物」に該当するものは何か
廃棄物処理法第2条では、
この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
と定められています。
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