総務のマニュアル
:
属人化を解消し組織力を強化する ナレッジマネジメント導入法
「上司≠正解」の時代に再注目の「ナレッジマネジメント」 社内への浸透のカギは課長と会議にある
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブコンサルタント 的場 正人
最終更新日:
2024年05月13日
1ヶ月のアクセスランキング
「ナレッジマネジメント」とは、組織内で知識(ナレッジ)を共有・活用し、新たな知識を創造しながら実践していく日本発の経営理論です。野中郁次郎氏が1990年代に発表した組織的知識創造理論に端を発しており、1990年代後半に一度ブームを迎えました。ところが、最近になってナレッジマネジメントが再び注目を集めており、あらためて導入する企業が増えています。本企画では、現代企業に適したナレッジマネジメントの導入法を3回にわたってお伝えします。初回の今回は、ナレッジマネジメントが現代企業に必要とされている理由、ナレッジマネジメントの2種類のテーマ、必須ツールのナレッジマネジメントデータベースについて解説します。
「自律・共創型」の組織にはナレッジマネジメントが欠かせない
現在、私たちの社会は、変化が激しく、先行きが不透明で、将来の予測が困難な「VUCA時代」に突入しています。VUCA以前の安定成長マーケットとVUCAのマーケットでは、ビジネスの在り方が大きく変わっています。
VUCA以前は、多くの企業がビジネスの勝ちパターンを持ち、それを踏襲し続けることで、ある程度の安定成長が可能でした。経営層や上司がビジネス上の正解、すなわち業績を高めるためにすべきことを知っており、部下は上司の教えに従って、確立されたやり方を踏襲していればうまくいっていました。管理・統率型のマネジメントが最も効果的で、上司が正解を部下に教えるのが人材育成でした。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。