厚労省「106万円の壁」の議論が本格化 要件撤廃のほか、事業者負担を増やす特例の提示も
月刊総務 編集部
最終更新日:
2024年11月18日

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厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会年金部会は11月15日、学生以外のパート、アルバイトの社会保険加入の目安金額となる、いわゆる「106万円の壁」に関する議論を開始した。
106万円の壁の議論を本格化 企業規模・賃金要件見直しへ
パートやアルバイトなどで働く人は、収入が106万円や130万円を超えると原則、配偶者の扶養から外れ、保険料の負担が生じ手取りが減る。
「106万円の壁」は、従業員51人以上の企業などで働く労働者が対象で、年収が106万円超え(月額賃金8万8000円)、週当たりの労働時間が20時間を超えると、配偶者の扶養から外れる。106万円を超えた場合は、厚生年金に加入し、保険料を企業と折半で払うことが求められるため、常に106万円を意識して働くケースが多いことが指摘されてきた。
今回の審議会では、働き方が多様化する中、厚生年金への加入を広げる必要があることから、51人以上としている現行の企業規模要件の撤廃を提案した。
企業規模についてはこれまで、中小の事業所への負担を考慮し、2016年10月に500人超、2022年10月に100人超、2024年10月に50人超と段階的に引き下げを実施してきたが、雇用形態や勤務先の企業規模・業種によって被用者保険の適用の有無が変わることは不合理であるとし、同要件の撤廃を求めた。

また、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所についても、非適用事業所の優遇(法定17業種を除き非適用事業所とする)を解消し、全業種で加盟の対象とするよう提案した。
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