総務のマニュアル
:
職場全体の成長、活性化につながる VUCA時代の新人育成のコツ
OJT担当者にメリットは? あなたが任されたらどうする……新人育成に必要な3つの役割とは
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRD統括部 HRDサービス開発部 研究員 武石 美有紀
最終更新日:
2025年05月21日

アクセスランキング
かつて新人が担う仕事といえばシンプルでやり方も決まっているものが多く、上司や先輩たちが「背中を見せる」スタイルでもうまくいったかもしれません。しかし、現在のVUCA的な仕事環境では、新人への要望も高まり、かつての育成方法では十分ではないケースが散見されます。では、どのように職場で新人を育成していけばよいのでしょうか。本連載では、育成者の中でも特にOJT(※)担当者に向け、3回に分けて新人育成のポイントを解説していきます。第1回は、新人を取り巻く仕事・職場環境を紹介した上で、職場で新人を育成する目的や役割、メリットについて紹介します。
※ On-the-Job Trainingの略称。日常の仕事を通じて必要な知識・技術・技能・態度などを身に付けられるよう、意図的・計画的に指導すること。
VUCA環境で新人に求められている力とは?
初めに、新人を取り巻く今日の仕事・職場環境を整理していきましょう。
新人を取り巻く仕事・職場の環境を見ると、正解もなく支援も得にくいVUCA環境で、新人にはかつてよりも「自律的に学習・成長していく」力が求められるようになりました。一方で、社会に出るまでに新人が育った環境を見ると、自ら情報を取りに行ったり、成長の機会をつくったりするといった自律的に行動する経験が減っています。具体的な例として、少子化で自ら動かなくても選ばれることが増えたり、わからないことに対してネットで簡単に答えをもらいやすくなったりしていることなどが挙げられます。
つまり、求められている「自律的に学習・成長していく」力が、社会人になるまでに得られにくい社会構造があるのです。これは、新人のやる気の問題ではなく、社会構造上の問題です。そのため、今までのやり方に新人を合わせる方法ではなく、構造の変化に合わせてやり方を変えていくことが合理的だと考えています。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。