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転職のプロが明かす転職業界本当の話【その2】求められている総務の役割とは

2018年05月10日

 現在総務部に勤務している方は、「最近転職がすごく増えているが、総務の自分に転職先があるのか」という疑問を思い浮かべたことがあるかもしれません。その答えはずばり、「あります!」。総務ほど、会社によってカバーする範囲が違う職種も珍しい(経営企画も同じような一面があります)ですし、いろいろな転職のバリエーションがあるのです。今回はその代表例を見ながら、総務という職種の大切さや難しさについて考えていきたいと思います。

■社内の管理レベルを上げるため


 急成長している会社、あるいは新たに上場した企業は、社内の管理レベルを上げるために、外部から総務のスペシャリストを求めることが少なくありません。そこで求められるスキルは、文書管理規程の整備、契約書管理、福利厚生の整備など、基本的な実務能力になります。

 外部から人材を求める際、中堅企業であってもどうしてもブランド志向が強く、大企業からの招聘(しょうへい)を好む傾向にあります。ところが大企業の総務経験者がその会社へ行ってみると、規程そのものがほとんどなかったり、稟議規程が形骸化していたりと、びっくりすることばかり。しかも総務のいろはがわかっている若手は当然育っていない。そんな中、ハンズオンで自ら整備に乗り出していくことは、それはそれは大変な業務になります。ただ、苦労もありつつ、自分がいろいろなことを整備していくことで、会社が「会社らしく」なっていく過程を経験することはやりがいにもなるでしょう。

■総務業務を強化するため


 次は、大企業で総務の一部業務を強化するため、外部から人材を招聘するケースです。たとえば株主総会業務。個人株主が増えてくると、会場の準備、おみやげを用意するかどうか、そのあとの懇親会はどうするのか、という業務が発生します。また最近では、海外投資家を中心としたするどい質問を想定しての「想定問答集」に相当な準備時間を投入する企業も増えています。ここでは、IRや法務チームとの連携が大事ですから、外部から転職して誰も知らない環境の中で、しっかりとコミュニケーションを取り、株主総会という待ったなしの状況に向けてプロジェクトを回す能力が求められます。

 また働き方改革やコンプライアンスの重要性が増している昨今、従業員の健康管理やハラスメント対策など、攻めと守りの強化も大きな課題です。この領域は企業によって進んでいるところと遅れているところがはっきりしていますから、遅れていると自覚のある企業が進んでいる企業から人材を獲得する、というわけです。

■不祥事、コンプライアンス問題に対処するため


 何か不祥事、そこまでいかなくても何らかのコンプライアンス問題が発生し、その対策を含め、外部から人材を招聘するケースもあります。このケースは、火中の栗を拾うようなものですから、われわれヘッドハンターも候補者探しがたいへんです。ただし、力のある総務経験者にとっては、腕の見せどころかもしれません。マイナスからのスタートですから、逆に力が発揮しやすいという考え方もありますね。

■必要な業務を拾い、経営者を助けるため


 さらにオーナー企業になると、社長室に近いような役割を求められるケースもあります。総務の仕事は、部署の隙間にあって管轄がわかりにくいが、絶対必要な業務を拾い、経営者を助ける仕事でもあります。オーナーの横で、オーナーがやりたいけれど手一杯でこぼれ落ちていた業務を拾い、形にし、社内外に貢献していく、まさに総務の醍醐味といえるでしょう。

 このように、総務と一言でいっても、企業が求める役割は千差万別です。今の自分には何ができるのか、最終的にどのようになりたいのか。企業に求められる役割を意識し、将来に向けて総務スキルを上げていくといいかもしれません。

渡辺 紀子
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